福耳の子供


白くて柔らかそうな見た目は、肉を食べない私から見てもとても美味しそうで。
その上背後から抱き込んだ所為で視界にちらつくものだから、ついついかぷりとやってしまったのだ。

「ひゃっ!」
微睡んでいた所のその攻撃に、彼の意識は一瞬で覚醒し、真っ赤な顔をして振り替える。
「な、何っ…。」
「美味しそうだったから。」
縁をつうっと舌先でなぞるとぴくりと震えた。どこもかしこも薄い彼だが、唯一、耳たぶだけは少し厚くて、こりこりとした歯ごたえが本当に噛み千切って食べてしまおうかと言う凶悪な気持ちを掻き立てる。

「ん、あ…。」
ただ、食べてしまうともう二度と彼の可愛い耳には会えないので、その代わりにルシフェル自身を別の方法で食べる事にした。

「いただきます。」