オレンヂ・エビス


「ちょっとそこに寝ろ。」
イーノックは何をするのかと首を傾げながらも、すぐに大人しくベッドの上へと寝転がった。
ルシフェルは何も言わずに側へ寄ると、足の先からぺたぺたと確かめるような動きでイーノックに触れる。

「?…何をしているのだろうか。」
一向に理解出来ない行動に、色々と耐えきれなくなってそう問い掛けた。触れる指は胸まで上がっており、その上ルシフェルはイーノックの腹に馬乗りになっている。正直なところちょっとかなり下半身に来ており、いつ襲いかかってしまってもおかしくない。
しかし当のルシフェルは素知らぬ顔で、熱心に見つめていた胸から漸く顔を上げるとにっこりと微笑んで答えた。
「ん?ああ、ちょっとお前の筋肉を見せて貰おうと思って。」
何だそれは、と呆れた溜め息を吐くも、ルシフェルがそんな些細な行動を一々気にする訳も無く、続きとばかりにぺたぺたぺたぺた、褐色の筋肉を撫でていく。
「此処まで体格が違うと、何だか面白いな。私にも触って良いぞ。」

その一言で、意識はがらりと切り替わり。とりあえずその煽って止まない臀部から可愛がってやろうかと伸ばした手によって直ぐに実行に移された。