慰める


不思議そうな顔をしたルシフェルの脚をかぱりと開いて、イーノックは一つ息を吸い込んだ。
「ルシフェル…その、不快だと思ったらすぐに言って欲しい。」
恐る恐るそう言うものの、ルシフェルは安心しきった表情でふへへと笑い、あっさりとイーノックの言葉を否定する。
「お前が私にする事が、不快な訳が無いじゃないか。」
だから、さぁ、と促され、ガチガチに勃起した性器がイーノックの前に曝された。

何が引き金となってこのような状態になったのかは解らない。イーノックがルシフェルに捕まった時には既にこの状況だったし、ルシフェルはこの現象について知識としては理解しているものの、見るのはおろか経験するなんて初めてで、何故こうなったのかと聞かれてもさっぱり心当たりが無いのだ。
ともかく気付いた時には、頬を赤く染めたルシフェルがイーノックをベッドに押し倒し、身体を擦り付けてどうにかしてくれと懇願していた。

「人間はつがいと性行為をする為にこんな形になるのだろう?」
すりすりと胸板に甘えて来られては流石のイーノックも我慢の限界で、薄い尻の肉を掴むと思い切り揉みしだいてぐるりと身体を反転させる。
芯を持ち始めた自分の股間をルシフェルのそれに擦り付けると、じわりと先走りが零れて黒いジーンズに染みが広がっていく。
その上から一度べろりと舐め上げてジーンズを剥ぎ取れば、ニコニコと嬉しそうな顔をしたルシフェルが腕を伸ばしてイーノックを求めていた。

慰められているのは彼か自分か。

脳味噌が溶けそうな激しい快感の中、ルシフェルの言っていたつがいという言葉に、イーノックは確かな悦びと仄暗い独占欲に静かに沈んでいった。