輝く太陽。高い声を上げる白い鳥の群れ。おまえが神と交わした約束。
物語のはじまりを告げ私からおまえを引き離すそれらのものが、この上もなく憎らしい。
私のこの両の手でおまえの耳を塞いでしまえば。
私のこの両の手でおまえの青い目を覆ってしまえば。
私のこの両の手でおまえの自由を奪い捕らえてしまえば、おまえはこのまま私と共に時を過ごしてくれるのだろうか。この白く清らかな天の上で。
そんな風に夢想してもはじまりは必然と訪れ、わたしからおまえを連れ去っていく。
おまえをただただ見送らされる私がどれだけ歯噛みし、苛立ち、身悶えようとも。
無情なまでの不平等さで、神はおまえを光で包むのだ。
必ず帰ると、おまえは呆れ笑うだろうか。きっとそうに違いない。おまえはいつもそうだった。
ひとつの物語が終わり、その次、そのまた次に、そうして迎える望んだ終焉。
幾度回数を重ねようとも、おまえと私は必ず相見えると分かっている。しかし、そうであっても。いや、そうであるからこそ。


三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい。


(おまえと共にと、願う私の愚かさを笑ってくれ。イーノック)


END