人より少し不器用だから


「っ、う、ぇ…。」
喉の奥まで遠慮無しにガンガンと突かれて精液をぶちまけられた。
人間とは違い呼吸は必要としていないから、口を塞がれようがどうってことは無いし気管に飛沫が飛んだりしない。筈、なのだが。
顎が外れそうな程大きなそれは、天使である私ですら苦しいと感じて思わず嗚咽を漏らしてしまう。

「うぁ…苦っ…。」
けほけほと咳き込むのも気にせずに、顔にもたっぷりと浴びせられて、顎から白濁が滴り落ちた。
顔を上げればそこには嬉しそうな満足そうなイーノックの顔があり、それだけで屈辱的だとざわついていた心が隷属の悦びへと変化する。
「…っ、人間…は、よくもまぁこんな事を思い付く。」
繁殖の為の貴重な体力と精力を無駄にする行為に、照れ隠しにそう言ってやると、良く出来ましたとばかりに優しく頭を撫でられるので堪らない。
「でもルシフェル、貴方もとても上手になったよ。」


まるで人間のようだなと笑うイーノックは、恍惚に歪んで輝いていたが、きっと私も同じような表情をしているのだろう。