トゥルー・ロマンス


「帝人くん…っ、あっ!み、か…っ!」
「気持ち良いですか?」
そう聞きながらぐるりと腰を回すと、臨也さんは顔を真っ赤にしながらコクコクと頷いて僕の背に爪を立てた。
正直、痛いのはあまり好きでは無いんだけど。まあそれも臨也さんのする事だから仕方ない。

臨也さんをこんな風にしたのは僕だから。

臨也さんが勝手に首を突っ込んだのは事実だけれど、それを解っていて彼を追い詰めたのは僕だ。
人間が大好きな癖に人間からは嫌われている、可哀想なこの人の、細く繋がった最後の糸を断ち切った。

だから、彼の淋しさを埋める為にこうして身体を貸すことも、仕方ないのだと思う。
「ね、帝人くん、お願い、お願い捨てないで。愛してる、愛してるんだ。」
「大丈夫ですよ、貴方を捨てるなんて、出来る訳無いじゃないですか。」
ああ本当に。孤独と恋慕の違いも解らないこんな可哀想な彼を捨てるなんて、常識的な僕に出来る訳が無い。

安心して下さい、愛することは出来ませんけど、貴方の事はそれなりに好き。ですから。

「好きですよ臨也さん。」

うん、嘘は吐いてない。