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あいどろっぷす?





カメラアイの調子が悪いんだ、とバンブルビーが雪菜の元を訪れたのは今日の午前中。
ラチェットも同席の上で話を聞く限り、どうやらカメラアイそのものに異常はない。
そもそも、戦いで負った軽い傷程度ならば自己回復機能で大方直ってしまう、何とも羨ましい彼が訴える不良に雪菜は首を傾げたの束の間。
当たり前のようにラチェットがラボの隅に置いてあったドラム缶を引っ張り出して一言――ただのオイル切れだ、と。

少し残念そうに呟いたラチェットの言葉に、雪菜は差し出された自分の身長より少し小さいドラム缶を見つめた。
おそらくカメラアイを少し磨くだけの作業はラチェットの興味は湧かないのだろう。
リペア台の上で拘束されていたジャズからの助けを求める視線をスルーして、では、とバンブルビーを連れたって雪菜は格納庫の外へとやってきた。

「オイル浸した布で磨いてあげるね」
『大丈夫だよ、おいら自分でできるから!』
「本当?」

ガコン、と響く金属音に、続いて響く水音。
目の前でそれを楽しそうに揺らして遊んでいるバンブルビーに、雪菜がくすりと笑って手にしたタオルを片手に彼の作る影へと足を進めた。

「ビー、やり方わかるの?大丈夫?」
『うん、わかってる!いつもサムがやってるの見てるから大丈夫だよ』
「サムが?」
『目薬って言うんでしょう?』

よいしょと片手に抱えていたドラム缶を抱えなおして、中を確認するようにチャプと振ってからバンブルビーはそれを頭上へと掲へあげ。
やがて蓋部分に小さく開けられた穴を確認しながら、そっとそれを傾けた。

「入れすぎたら駄目だからね?勢いよく傾けるといっぱい出ちゃうからね?」
『うん!』

”そぉっと、そぉっと……”と口にしながらドラム缶を抱えたバンブルビーを見上げながら、雪菜も固唾を呑んでその様子を見守る。
やがてゆっくりと出てきた透明の液体がゆっくりと瞳に落ち、いつもとは少し違うガシャとした音を数回させた後に、バンブルビーは人間のようにカメラアイを数回瞬かせてから嬉しそうに、キュインと音を鳴らしながら得意げに胸を張って見せた。

『”入りました””大成功です!”』
「ちゃんと目、パチパチした?」
『したよ。ほら、変な音がしなくなった!』

カシャカシャと滑りのいい音を響かせながらもう片方のカメラアイにもオイルを垂らしこむ。
そしてすぐにバンブルビーが雪菜の前に顔を近づけて大げさに何度もカメラアイを瞬かせてみせた。
その仕草はさながら”褒めて褒めて”と言わんばかり。
その愛らしい顔を優しく撫で――背後で聞こえる愛しい彼氏の断末魔は聞こえないフリをしながら――雪菜は手に持っていたタオルできゅ、とバンブルビーのカメラアイから余分なオイルを拭き取った。




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可愛いビーが書きたかっただけです、はい。
thanks for the title...from 夕月光

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