1/7はわきまえている・あとがき

 本日、1/7はわきまえている、無事に完結の運びとなりました!
 お付き合いくださいました方、ありがとうございます!
 これからまとめ読みを予定している方は、以下かなりのネタバレがあるので読後のお目通しをおすすめします。


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 かつてこれほどタイトル詐欺な話があっただろうか(まあまああったよ)
 いや、わたしはただ、この話をいちゃいちゃほのぼの噛み合わない両片思いラブをやりたいつもりで書き始めたんですね。その気持ちに嘘はない。
 ただ、話が転がるとどうしても起承転結の転が必要になってくる、で、まあやくざだから転が物騒になってくる、そうするとこうするしかなかった、みたいなね。

 構想段階では亜里香にこんな不幸顔の設定なかったし、晴市は構想段階そのままの感じでいきました。
 構想段階では抗争はなかったし、構想段階では完結もなかった。日常もののつもりだった。
 構想というのはそんなもんだ。

 ちなみに、ふたりが渡った外国は、ちゃんと決めてあります。
 もしかして、いくつかのキーワードで、分かる人は分かるかも!
 寒いところ、と晴市が言っていたこととか、宇藤のもとに届いたポストカードの絵画が何というタイトルなのか想像してみると、分かるかも!
 別に言う必要も知る必要もないことなので、明かしませんけど。
 あと、なんかすごくいい感じに最後ふたりで幸せになってるけど、やってることは実質高飛びなので悪しからず。

 手元で原稿が不穏な流れになったときからすでに、晴市の右腕と左目は失われることが決定していました。
 そのまま何事もなく何の犠牲も払わず幸せになれると思うなよという作者の意志がはたらきました。

 宇藤について。
 彼は、晴市にただならぬ感情を抱いているのです。恋愛ではないが、愛です。
 晴市より年上ですが拾われた身として、晴市にその人生を捧げるつもりで生きてきてはいたんだけど、その情を忠誠だと勘違いしていた。
 だから、亜里香の義父から取引を持ち掛けられた時に、宇藤は野心と、ありもしない忠誠心を秤にかけてしまったんですね。
 そりゃ、中身空なんだから野心に傾くわけですよ。
 でも、亜里香のためにプライドを捨てた晴市を見て、自分が何を勘違いしていたのか悟ってしまう。だから裏切りを貫けなかった。

 という、なんか解説めいたことを作中で全部うまく説明したかったよね。

 とにもかくにも、次はとりあえず、新作を考える前に、モバスペ作品の再掲をがんばりたいと思います!


 2019.03.02