「財前って好きな子おるん?」
「は、あ?」
「おるん?」
「なんスか、急に」
「こないだ蔵と謙也と話してたんよ、そしたら財前の好きな子の話になってなー
噂はぎょうさん聞くから、おることにはおるんやね?」
「まあ、好きな奴ぐらいはおりますわ」
「誰?」
「さあ?」
「せめてタイプ教えてや」
「なんで?」
「探す!」
「アホか、タイプだけで探せるわけないやん」
「うち先輩!やから敬語!」
「あ、すんません。名前先輩がアホやからつい、」
「じゃあその子の特徴教えてや」
「なんで?」
「探す!」
「プッ…」
「なっ…!」
「ええで、特徴教えたります」
「ホンマか?!」
「まず可愛くてな、馬鹿で、アホで、ドジで、」
「最初の可愛い以外けなしてない?」
「最後まで聞けや。えっとアホで、って言いましたっけ?」
「言うた言うた!」
「まあ、めちゃアホなんやけど、ほっとけん。そんな感じっすわ」
「ええ子なんね」
「何で?」
「財前にそこまで言わせるやなんて、ええ子以外ないやん」

「……俺がその子に何して欲しいか分かります?」
「ん、なん?」
「名前で呼んで欲しいんすわ」
「名前?」
「おん。せやから名前先輩、俺を名前で呼んで下さい」
「財前?」
「ちゃうやろ」
「光……?」
「なんスか、名前先輩」

「待った。なんで急に名前なん?」
「あんた人の話聞いてました?好きな奴には名前で呼んで欲しい言うたやないですか」
「好きな子、やろ?」
「俺の好きな奴は、今俺の目の前にいるんすわ」
「…え………?」
「だーかーら、名前先輩が好き言うとります」


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -