「「ごめんなさい」」
ぴしり、と床を打つ鞭に、ロキはナツと並んで小さく身を縮ませた。先ほど食らったばかりの手の甲が、赤くミミズ腫れのようになっている。ナツの手はロキよりも数段酷かったが、彼はどこまでも嬉しそうだった。
「へへ」
「何笑ってんのよ」
「だって、いつも通りのルーシィだし」
「……あんたさっきから、ちょっとおかしいわよ」
「ん?」
ルーシィは怯んだように足を後方にずらした。指がくるくると星の大河を弄る。
「なんか、あたしに……叱られたいみたいじゃない」
「……それじゃ変態みたいだろ」
ナツは嫌そうに眉を寄せた。
「別に、ルーシィと……えっと?」
「え?」
「ちょっと待て。うーんと、こういうの、何て言うんだ……んー?」
「『一緒に居たいだけ』じゃないかな?」
「おお、そう!そんな感じ!すげえな、ロキ!さんきゅ!」
「どういたしまして」
にこにこと彼に応じながら、ロキは金魚になったオーナーにくすりと笑った。