泣きじゃくる合間を縫って呟かれる言葉に、ナツは耳を澄ませた。
しかし意味を成さないそれらは、元より考えることが苦手な彼には予測すら出来ない。
結局のところ、おたおたして彼女の前で手をさまよわせることしか出来なかった。
「な、泣くなよ」
「…っ、ぅっ…」
俯いたルーシィの顔は、ナツからは見えない。
いったい何が原因だったと言うのか。いつものように、ただ思ったことを言っただけのはずなのに。
悲しませたくなど、ないのに。
潤む視界の中で、金髪が揺らいだ。