なんでルーシィの奴、グレイの方ばっか見てんだ。
「帰ろうぜ」
「……うん」
何だよその呆けた返事。オレを見ろって。あ、見た。んん?見たか?なんか目ぇ合わねえ……ああ、太陽のせいか。逆光になっててルーシィから見えてねえのか。
じゃあ太陽の方向いてりゃ良いや。どうせ帰るのもこっちだし。ルーシィが追い付いて、隣歩いてくれれば良いんだから。
オレはルーシィが追い付きやすいようにゆっくり歩いた。エルザが先頭で次がグレイ、ってのはちょっとムカつくけど、しょうがねえ。ハッピーも先に行かせて、
「ナツ」
お?ルーシィがオレの荷物掴んできた。
「い、嫌なわけじゃない、から」
「わかってる」
反射的に答えたけど、何のことだ?嫌なわけじゃない……?ルーシィが嫌だ嫌だって言ってもそんなの大抵本気じゃないことくらいわかるし、オレの答えとしちゃ間違ってねえはずだけど。うーん?
あ!そうだ!
そういやルーシィ、まだ服着てねえんだ!そうか、着替えるよな!それを見てても良いってことかー。珍しいな。
……まあ、見ろってんなら見るけど。どっちかってーと、ルーシィの目を掻い潜って見るのが楽しいんだけどな。わかってねえなあ、ルーシィ。見るけど。
「素直に言えた」
おい、なんだその顔。めちゃくちゃ嬉しそうじゃねえか。しかも何だそのちっちぇえガッツポーズ。カワイイだろ。
ふーん、ルーシィはそういう趣味だったのか。今まで黙ってこっそり見てて悪かったな。これからは堂々と見るからな。
ルーシィとバルゴがぴったり同じタイミングで目潰ししてきたことについて、オレは全力で抗議する。