「へえ、ナツさん、ひよこの鑑定やったんですか」

ウェンディが目を丸くする。ナツは骨付き肉を振りながらそれに答えた。

「おう。面白かったぞ。こうな、オス、メス、グレイって」
「なんでオレを入れた?」

グレイの目の下がぴくりと引き攣る。理由はたまたま目に入ったからだが、ナツは言ってから雌雄がわからなかった場合の『グレー』としても意味が通じることに気が付いた。しかしあえて説明する面倒は避け、一人胸の内で上手いこと言った、と満足する。

「良いなあ、私も行きたかったです」
「お土産に一匹くらい貰ってくれば良かったな」
「それはちょっと……」

ウェンディは何故か困った顔をした。少し不思議には思うが、特に気になりはしない。手のひらに乗っていた、黄色いひよこを思い出す。
ナツはグレイに目を向けた。

「お前、ひよこをどう思う?」
「は?いや、別に何も……。カワイイんじゃねえの」
「ぁあ?今なんつった?」
「あん?何ガン付けてんだよ」

無性に腹が立つ。
自分こそ睨み付けてくるグレイを下からねめつけて、ナツは肉を骨から全て齧り取った。






グレイはひよこ似合いそう。


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