「えっ、そうなの?」

ルーシィの驚いたような声がナツの注意を引いた。ホットドッグを咀嚼していた口を止めて、そちらを見る。
彼女はレビィと話していた。注目したせいで、なんとはなしに会話の中身も聞こえてくる。どうやら今度の仕事で行く町の話のようだった。

「夜景かあ」
「すっごく綺麗らしいよ」
「へー、見たいなあ。でも夜まで居るかな」
「泊まっちゃえば?」
「んー、ナツが何て言うか」

「すぐに次の仕事行きたいって言うかも」と零すルーシィに、ナツはそんなことねえのに、と内心で否定した。色々な町を見て回るのはナツだって楽しい。仕事で暴れるのも気分が良いが、旅行も嫌いではない。
レビィは意味ありげに笑った。

「絶対見た方が良いよ。幸せになれるんだって」

そこまで言ってから、声を潜める。

「カップルで見ると、ね」
「ぶっ」

噴き出したルーシィからホットドッグに意識を戻して、ナツはそれを飲み下した。呟く。

「楽しみが増えたな」
「あい?」

魚を抱えたハッピーが顔を上げる。ナツの頭にはもう、ルーシィと並んで夜景を眺める自分が居た。






オイラは!?オイラの存在は!?


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