下手の考え休むに似たり(芹沢+近藤)

「おやおや芹沢さん、次の一手が中々出ないようで」
「キィ――ッ!悔しい!」
「下手な考え休みに如かず…ですよ」
「むぁあああッ近藤さんもう一回!もう一回いいい!」
「ふふふ、私の将棋の腕には強靭芹沢さんでも勝てませんね」
「なんでそんなに強いの近藤大先生」
「大先生!?」



坊主憎けりゃ袈裟まで憎い(吉栄+土方)

「ウチな、土方はん嫌いやねん。だから土方はんみたいな髪の長い人見とったらな、なんか苛々するん…。その黒い着物もあかんわ〜…どないしよ?」
「なぜ俺に聞いた!?嫌がらせか!?嫌がらせなのか!?」



仏作って魂入れず(沖田)

「柏餅にあんこ入れ忘れちゃったって?…今すぐ入れてこないと許さない!」



蒔かぬ種は生えぬ(永倉+原田+斎藤)

「タネは蒔かなければ芽が出ない。子作りもそんな感じだよな」
「永倉さん気持ち悪い」
「新八気持ち悪ィ…」
「お前らなんだよ!いつもはノリいい癖に!こんな時だけイイコぶるんじゃねーよ!」



負け犬の遠吠え(加納)

北へ敗走しておいてまだ戦う気力があるなんて図太い根性してるなぁ、
蝦夷から吠えたって勝ちやしないのに。

ああ、そういえば死んだそうだね、あのキチガイ。


「そうだなぁ、戦が終わったら蝦夷にゆっくり足を伸ばして、其の地を骨と共に踏んでやろう!」



待てば海路の日和あり(武田+原田)

「ここにしゃがんでこの穴を根気強く眺めるの。そう、焦らずに心にゆとりを持って待つのよ。するとね、ほら…お風呂に入る男たちの輝かしい肉体美が拝めちゃうってわけ!」
「うおおおっ!武田さんまじスゲーよ!ばっちり見えるぜ!……でもよ、覗きなら女風呂がよくねぇか…?」
「なに言ってるの左之助さん!あの肉体の物語がいいのよ!女には出せない悶々とした艶々しさが何とも言えないんだから!」
「肉体の物語…?うーん、でもまぁ筋肉もりもりだったら確かにスゲーなって、ちょっと見ちゃうよな!」
「でしょーっ!」
「武田さん、後で俺たちも一緒に風呂入ろうぜ!」
「いやぁーんいいわね!左之助さんの筋肉見るとゾクゾクしちゃうわ〜っ」
「ほんとか!?じゃあいっぱい見てくれよな!最近鍛えてまた筋肉ついたかなーって感じでさ」
「勿論見てあげるわ、だから手拭い持って入っちゃダメよ?」
「おう!すっぽんぽんで入るぜ!」
「いや〜ん楽しみ〜!」



木乃伊取りが木乃伊になる(山南)

動く死体を捕まえようと後を追ったが、それは灰になってしまった。そして動く死体は自分自身であった。

驚いて立ち尽くしていると、総司が泣きながら後を追ってきたのだ。
舞う死体の灰は言った、次に死体になるのはオマエであると。



水清ければ魚棲まず(土方+伊庭)

「トシさんはさぁ、清廉潔白だから近寄りがたいんじゃなくてさぁ…清廉潔白じゃないから近寄りがたいんだよねきっと」
「……伊庭ァ…」
「ちっ違うよ!?決して変な意味じゃないよ!?オイラはトシさんのことちゃんと好きだよ!?」
「ちゃんと好きってなんだよ」



水を得た魚(阿部+富山)

「毛内さんはぽや〜んってしてることが一番の活躍で、道之助は毛内さんの世話を焼いてる時が一番イキイキしてる。二人とも武士とか副業だよな」
「…俺、阿部さんの言葉一つ一つが豪速球で飛んでくる鉛に見えたりするんですよね」



水は方円の器に随う(平助+沖田)

「僕ね、自分でいうのもなんだけど、すっごく善いものばっか持ってるから自分も善くなれたと思うんだ」
「善いもの?」
「うん、みんなのことなんだけどね、沖田さんが僕の隣でずっと笑ってくれれば僕もずっと笑っていられると思うの、僕沖田さんが笑ってるの見るの大好きだよ」
「平助、照れるからやめてよう…」
「沖田さん、僕たちずっと一緒にいようね?」
「うん、ずっと一緒にいようね!」










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