過ちて改めざる是を過ちと謂う(土方+沖田)

「それ、どうしたんですか?本が真っ黒…」
「…墨、こぼしたんだよ……サンナンさんの本の上に…」
「あららァ、それは今すぐ謝った方がいいですね、こぼしたのなんだの言ってる場合じゃないですよぉ」
「分かってらァ!」
「見てみぬふりはしちゃいけませんからね?」
「うるせぇな…!ちゃんと、…謝るっつの……」



過ちては改むるに憚ることなかれ(土方+山南)

「ということだ……、サンナンさんすまねェ…」
「実は私も土方君の句集に墨こぼしちゃったんだ…すまないね、でもおあいこだよね」
「おあいこって…これ、真っ黒で今まで書いた句が全然読めねェんだけど…」
「私の本も真っ黒で全く読めませんよ。で、クソ面白い句集がどうかしました?」
「いえ、何も…」



蟻の穴から堤が崩れる(永倉+原田)

「新八、もしも、もしもだぜ?目の前に平助が居たら、どうすりゃいいんだ…?」
「斬る」
「アホなこと言うンじゃねぇよ新八ィ…」
「アホは左之だろぉが。言うだろ、蟻の一穴天下の破れって。言われただろ、逃がすなって、殺せって」
「……俺、もう嫌だ」
「だったら、呼吸を整えて言い聞かせろ。もう殺るしかないんだってな、」


ただし、手が震えるならば切り落とすまでだ。
そして三本と一本。



合わせ物は離れ物(相生)

どんなに繕うたって、どんなに針で糸を通したって、一つになれへんもんはなれへんのや。
反物やのうて継ぎ接ぎやったんや、ウチ。

(そうしたらウチと布、離れんように縫い付けておくれやす)



言うは易く行うは難し(吉栄+お梅+芹沢)

「お梅ちゃん!芹沢せんせぇ!ウチ少し痩せれるように頑張る!もう平山せんせぇにぎっくり腰させへん!」
「…うん、その決意はええと思うんやけどな…。どんぶりでお茶漬け食べながらの決意表明は…あんまり説得力あらへんよ…?ほら、鴨はんもビックリしとるやないの」
「き、きっちゃん…それ六杯目か…!?」
「まだ七杯目やで」



石の上にも三年(平助+斎藤)

「辛いこと悲しいこといっぱいあったけど、それは全部一に出会うための準備だったんだよ。やっぱり耐え続ければ幸せっていうのはあるんだね、僕一といるときが一番幸せ!」
「…お前、よく恥ずかしいことを真顔で言えるな…」



一難去ってまた一難(永倉+原田+斎藤)

「池田屋での激戦つったらもうアレはやばかったわ。一人斬り倒しても次から次へと。これこそ一難去ってまた一難つぅかよ」
「分かる分かる!今さっきうんこしたのにまたうんこしてェなって感じだよな」
「え、ちょ、俺の武勇伝はうんこと同じなの?」
「おうよ、うんこと似てる似てる。なっ、一ちゃん」
「…いや、うんこより蕎麦屋に立ち寄ったら佐々木さんに遭遇し、また別の蕎麦屋に行っても佐々木さんに遭遇した時に等しい」
「一ちゃん蕎麦屋二軒も行くのかァ、生粋の蕎麦好きなんだな」
「左之、一が言いてぇのは多分そこじゃないと思うぜ」



一念岩をも徹す(銀之助+斎藤+山崎)

「斎藤先生を想う気持ちで僕、頭で岩を割ってみせます!」
「割れるもんなら割ってみろ」


一時間後。


「頭突きで岩が割れるわけないやろ!考えてみぃ!割れるンは岩やのぅて頭や!」
「うわあああんごめんなさいいい……!」
「あんさんもほんまガキに何言いよるん!額パッカーン開いて血だるまになっとるやないかい!」
「…田村がその気になれば割れるかと……」
「割れんわ!」



一富士二鷹三茄子(斎藤+服部+篠原)

「初夢は服部さんが出て来ました」
「そういうの凄く嬉しいな。ちなみに私の初夢には篠原さんが出てきたよ。何で斎藤君じゃないんだろう」
「いいじゃないか、それだけべえの中では私の存在が大きいって事だろう」
「夢の中でも小言で説教される身にもなって下さいよ」



一将功成りて万骨枯る(沖田)

それで良いんです。

で、私はゆっくり腐って白骨化した屍と一緒に近藤先生の活躍を拝むのです。











×