遠道は近道(斎藤+永倉)

「毛虫がいる」
「あ?」
「ここは行けない。だから大宮通りを通って松原通りから屯所へ帰る」
「はああ!?遠回りにも程があンだろがクソガキ」
「いや、松原通りにも毛虫がいるかもしれない…。大宮通りから西洞院通りを通って四条通りに出よう」
「テメー振り出しに戻ってんじゃねぇか!!」


鬼面人を嚇す(お梅+新見)

「獅子が好きやみたいに言うとりますけど、本当は芹沢せんせぇ兎が好きなん…」
「そ、そうだったのか…じゃあ誕生日の贈り物は獅子の刺繍入り襟巻きではなくて、兎の刺繍入り襟巻きが良さそうだな…」
「そうやね、芹沢せんせぇによぉうつる色の襟巻きあったらええんやけど。ウチも一緒に探しまっさかい、今から行こ」
「助かるよ、お梅さん」


馬鹿の大食い(土方+山南)

「ったくよ、カッチャンも変な食客ばっか増やしやがって…あいつら唯でさえ大飯食らいだっつーのに…。全く、馬鹿の大食いもいいとこだぜ」
「馬鹿は余計ですよ、土方君。剣術の腕前は確かなんですから」
「馬鹿は馬鹿だ、馬鹿ほどよく食いやがる」
「近藤さんもよく食べますよ、自分の拳を」
「かっ、カッチャンは拳だろ!カッチャンは馬鹿じゃねぇよ!つーか拳だろ!」
「はいはい、同じことを二回も言わないで下さい。そして私にご飯粒を飛ばさないで下さい、土方君こそ馬鹿の大食いです」


寒いときに汚い物なし(斎藤+永倉)

「寒さをしのぐためには着る物を汚いだの気持ち悪いだのと言ってはいられない」
「何お前、人の羽織を着て遠回しに喧嘩売ってんの?」


医は仁術(山崎+沖田)

「山崎さんは凄いなぁ、今じゃ立派なお医者さんですね。時世が変わっても十分暮らして行けますよ」
「そういう事のために医術を学んだんやなくて、…仁愛をほどこすため言うたら、信じてくれはりますやろか?」
「山崎さん…」
「沖田さんには早うよくなってもらいますよってに」
「もうやめて下さいよ、涙が出るじゃないですか」


犬も尾を振る(佐々木+斎藤)

「無愛想なのは考えものだね」
「…貴方には関係ない筈です、私の表情なんか」
「関係あるさ、見廻組の巡回地域に入るなら、もっと朗らかな笑みで来てくれないと、ね?」
「それこそ関係ないです」
「可愛くないなぁ」
「可愛くなくて結構です」


寝た子を起こす(斎藤+服部)

「ぅ、…あっ、…服部、さん…?」
「おはよう」
「…っ、ん、今、…耳っ、舐め……っ!?」
「起きた?」
「って、え、まだ暗いですけど……外」
「うん、まだ朝方には程遠いけれど、斎藤君を起こして啼かせるには丁度いい頃合いかと思って」
「なっ…!」
「寝た子を用もないのに起こして啼かせるの、昔から大好きなんだ」
「それっ、意味合い違ッ…」
「ん、どういう風に違うっていうの?斎藤君のこのクチで説明してみて?」
「…っ!」
「説明出来ないんだったら大人しく啼いた方がいいと思うけど」
「…説明、出来ません。」
「うん、よろしい。いただきます」
「―――!」


鳴くまで待とう時鳥(服部+阿部)

「啼くまで待つ方がいいと思うんだけれど、耐え忍ぶ性格は持ち合わせていないし。殺してしまうだなんてのは短気だしね、あれかな、啼かせてみせようっていう工夫が一番大事なのかな…」
「服部さん、発言された言葉の字と書き字が違うようですが、それは戦国武将の話ですか斎藤君との夜の交わり話ですか」


鬼の居ぬ間に洗濯(沖田)

「土方さんが居ないうちにゆっくり豊玉宗匠の句集でも見ますか」


夢は逆夢(永倉+原田)

「ウオオオッ左之オオッ!可愛くてオッパイボインボインな女計100人ぐらいから愛の告白される夢見たぜえええっ!!マジ目覚めよすぎ!正夢になりそうだコレ!マジ!」
「新八イイイッ!お前のその逆夢を正夢だと肯定する超前向き前傾姿勢に俺ァ感動したぜカッケェよ!!惚れるぜ新八イイッ!」











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