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最期の約束(斎藤+沖田)

いつぞやの話。

「私が死んだら海に放り投げてよ」
「海に…?」
「行った事も見た事もないんだ」
「……あぁ」

この約束、
忘れてくれるだろうか?



線香花火(お梅)

夏の切れ端。
線香花火より切ないあんたらはんの背中は、いつか消えてまうんやろか。

灰のように。



吐く息のリズムが暫く響いて(吉栄)

愛しい愛しい人の命日は、

深呼吸をしても上手く呼吸が出来ないので、黒い蛇の目を雨に濡らす事も出来ないので、


「一緒に殺してくれればよかったのに」

なんて、少し思う。



月になる(時尾+斎藤)

「君は二番目に愛しているよ」
「…どうして?」
「一番目にだけはどうしてもできない。それだけだ」

何になれば、あなたの一番になれるのでしょうね?
この必死さも、この苦しさも、一生伝わる事はないんだわ。一生一番になる事なんてないんだわ。

ああ、――茶屋の暖簾のよう。



さよなら君の体温(相生+斎藤)

「俺はどうせ戦で死ぬ」
「じゃあ…ウチはどうすれば、」
「俺が殺すよ、この手で」

おおきに、斎藤はん。



お終いにしようと苦く笑った(沖田)

「あーあァ、失敗しちゃったなァ」

一発で殺す気だったのに。



深い深い夢の底(芹沢)

死ぬのは俺だけでいいと
思って

いたんだが、な。



あの日のうた(永倉)

かごめかごめ、
"後ろの正面だあれ――?"


何十年たっても分からない後ろの正面。
何十年たっても戻ってこない友。

もう一度笑いながら歌ってみろよ、西瓜でも食べながら。
俺、その歌忘れたからさァ

総司、――唄ってよ。



この嘘つきめ(平助)

許さないからな
裏切り者。
お前らなんか大嫌いだ。
命は一つしかないと覚えておけ、この傷跡と共に!


「それはお前の事だろう?」

僕は、
死んだ。



それでも突き抜ける程に青い空(近藤)

自分の体と、晴れ渡る空。
垣間見たのは血の飛沫。


結構、キレイじゃないか。










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