自分、の悲鳴、を
初めて聞いた。

烏と変わらない
醜い、泣き方を
するのだ。
ね、そうだろう。



 ガチャリ
ガチャリ


僕は一生懸命
外したいと、蠢く。
その度に
鎖の首輪が
首を締め付け、た。

さて、
これはこれは
さすがに
死ぬのでは、
なかろうか?


「鍵を頂戴」
「食べました。」


では、
死ねと言うの。
有り得ない、
とは思っても
君は、
有り得させて
しまう、から。

僕は君が怖く
正直、
もう抱かれたくも
、ないの。


「僕、
死んでしまう?」
「死なないよ?」
「生きるの?」
「生きないの?」

 ガチャリ。

「それ
早く取らないと、
首が締まって
窒息死
する よ?」


君が
 鍵を
くれ
 ない
から、

嗚呼
僕は
 死ぬのですねェ

では
何故、
最初から
首なんかに、
鎖、
つけてしまうの。

鍵に飢えて
死んでしまうの。


「鍵はねェ、
此処、
此処を切り裂いて
くれれば、
あるんだよ」
君、
腹を摩る。
君、
綺麗な眼
している
のに。




「それ、
窒息死なんか
しないよ。
鍵がなくても
外れるよ。

それと、
雷蔵が好き、
大好き」
「うん、」

僕も

「愛して、
いた」
「うん、」

僕も、
愛して
いた。
なのに
君、

聞こえてないんでしょう。見えていないんでしょう。温かさも感じていないんでしょう。僕の事もう愛せないんでしょう。僕が愛するしかないんでしょう?


「三郎が、
 "嘘"
言うから。
三郎が、
 悪いよ」

僕は
三郎の
腹に刺さった
小刀と、

僕の
左手に
握られた
赤い西洋の
鍵、に、


深く深く
 嫉妬する。


end











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