みしみし、と、中から鳴っているのではなく、これはきっと足の骨が耳へと音を運んでいるのだと気づいたのは、すぐの出来事であった。

みしみしみしみしミシッ、ミシッ、ミシ…
(あ、白目むいた)

ひくり、と喉がなる。
したしたと血が滲み出てるのだろうか。膝に置かれていく重い石の板は冷たく、三角の台は脚の骨を砕いていく。

「いし、なんまいめ?」

聞く俺の言葉はとても幼稚であった。
なんだかとても冷たさと熱さを感じるんだ、えっと、なんだっけ、足に流れて行かなくなった血が込み上げてくるんだよ。

「ごぷ…」

口から勝手に出てきた血は首を伝っていった。
鼻からも何かが溢れている。石の板に落ちた液体が何色なのかは見る余裕もないが、それが何を意味するのか、俺はちゃんと知っている。
(知ってしまうと死ぬしかないが、まぁいいだろう)


end

石抱き
【memo】三角に加工した台の上に座らせ、膝上に石の板を何枚も乗せられる。たちまち足は青ざめていき、顔を赤黒く変色させ、ついには鼻や口から血が噴き出した。











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