反逆者、と罵られて頬を打たれたのは、あれはああそうだった、まだまだ子供の小さな紛争に過ぎぬ頃の記憶であった。 断頭台に見せかけたものは、小さな古いチェアと呼ばれていた台で、それは大人になるにつれシミを残して砕けて行ったのだが。 「破片はなかった」 ゴシックの絵画とは何とも素敵。ああ今の、この、反逆者反逆者と言われている我の背負う十字架といったらもう、 「誰か目に留めておくことより、誰かの皮膚に我の血を刻んで絵にしてくれたまえよ」 夜明け前でも夜更け前でもないのに、黒が多い。もうなにも見えない、見えないから楽しい。楽しいから口元が緩む。 「ね、誰か我を描いてるとでもいうの?この振り上げた凶器と狂喜の真髄まで!」 ご、ろん。 end 斬首刑 【memo】受刑者にひざまずかせ、襟首がよく見えるように顎を引かせる。執行人は全体重をかけて斧で受刑者の首を打つ。 ← ×
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