「案外、股関節柔らかいんだね、開発されちゃったのかい?」

足を持ち上げて「丸見え」、そう言うと雷蔵は苦しそうに叫んだりした。もうどうにもならないって分かっているクセに助けを呼ぶんだ、もう、バカなんじゃない?もしかして、助けにくるとか思っているの?

「阿呆、俺と雷蔵だけしかいないよ」

強い風が吹いていた。
(さぁて、)
今日、この夜を持って君とやっとこうして、嗚呼ずっと俺は待っていたのにね、今晩でそれも終わり、君は明日で終わりだね。

「可愛がってあげるから」
「やああ、もう、…も、嫌だ許して下さ」

何もしてないのに、雷蔵が謝る必要なんて何処にもなかった。逆にそんなことを言われれば、俺が悪いことをしたみたいで何だか納得が行かない。ぱしんと頬を打っては見たが、泣くことしか行動を起こさなくなってしまったお前は何だか酷く怯えている。
(なんで?ただヤっちゃうだけじゃないか、)

(こうやって)
(足を開いて、もっと、そう、そして、こう)



「何か最後に言いたいこと、ある?」
「…僕は、」
「うん?」
「へえすけじゃなくて、さぶろおが、好き。」
(うん、知ってる!)


「でも俺は、雷蔵が好きだからしょうがないよ」


ズプリと入れると、ひいと喚いて辛そうな顔をしていた。これからもっと増して行くだろうという行為に、何だか壊れていきそうな君をガッシリと掴み、嫌いな奴の顔を思い浮かべる。

「ふふ、盗ってやった、お前の命より大切なもの」

もうその快感に、笑みを浮かべずにはいられない。


end


窃盗嗜好(窃盗することにより性的興奮を得る。)











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