「鈴、付けた方がよかった?」


どっちでもよかったよ、返事を返した。
そう聞いてきた三郎の手は、僕の性感帯を確実に捉え、離さない。(もうなんでそんなところを、擦るの)ただでさえ恥ずかしいのに。

「可愛い、雷蔵」
「…可愛くない……ッ」
首に巻かれてある赤い絹を撫でて撫でて、そして目尻までも撫でられ(舐められ)少し驚いてしまった僕は、三郎の肩をグムと押し返してしまった。
嫌がるのかい?そんな顔をしている君、なんだか凄く嬉しそうである。


「嫌がり方もいいね、猫にそっくりだ」
「やめてよ、僕は猫じゃないもの」
「"やめてよ"って、もっとして欲しいの間違いでは?」
「ああ触らないで、」

布団を引っ張り肌の露出を避けようとすればする程、嫌がらせを好む君は大きな手で布団の端を押さえつけております。(不親切すぎてジワジワなにかが溢れ出てきそう!)
恥ずかしいとは慣れるものではありませんよ、けれども裸体なんて、そう三郎は豪語した。

「いつも見せてくれるじゃないか、なにを今更」
「今更ってゆうか、僕、見せているわけじゃない!」
「猫は裸体だよう?」
「―――ッあ!ああ嫌!」
(爪と綿の重なり合った底の引き放れる音が、ガジリと鈍くなっただけであり)
布団は部屋の片隅に放られてしまった寂しい蛻(もぬけ)。足、開けばいいのに、軽々しく言う三郎のそんなところが大嫌いで大好き。頭を優しく撫でてくれるところは大嫌い、大好き!



「開いてよ、足」
「嫌。だって三郎が見てる」
「ふうん」

上は肩に衣を掛けるよう(その肩に時々、噛みつきたくなるの。)下は何も纏わず(それは僕を貫くための秘めやかな細工?)優しい易しい。

「こうやれば、足、開けるだろう?」
(ドキンドキン、ドキリ!)
ゆっくりと後頭部を支え腰を支え髪の毛も絡み支えながら、三郎は僕の体を大切に大切に、まるで眠ってしまった起きない猫を布団に覆い込むように。一緒に寝たいんでしょう?猫は眠りながら薄々とソンナコト、耳も動かさない有り様で思っている自覚、症状。

僕の脚を割って、三郎の下肢がするんと入り込み、お腹とお腹が合わさりさえすれば、いいの。
鼻と鼻も、ぴとり。

「ね、こうすれば互いに足を開けるだろ」
「ばか、三郎はただ、足を開いてるんじゃなくて僕に押し付けてるだけじゃないか、」
「温かい?」
「温かいけど…」



 ( せいきとせいきをあわせませう! ) 



猫は嫌がるんだよ。違うよ、諦めたの。ああそうだねえ、諦めるねえ。うん、諦めて従順になりますよって。それ、犬。三郎、犬はどうなの?ううん、従順は好きだけど雷蔵は猫そのものだから。僕が?うん、艶かしい動きとか。この変態!どこ見てるんだ!


「やっぱり、鈴をつけたい」
「うるさいよう、」
(ちりん、ちゃりん、此処に居ますからねって知らせる、そういう一々の存在)
「三郎も猫になればいいのに。首に巻いてあげる、黒い絹」
「そうだね、交尾しようか」



(鈴が鳴るたびに、追いかけて雷蔵を犯してあげるよ零秒でも犯したいから。)
(三郎から零秒でも想われ繋がれるのであれば。)



 鈴を、つけませう 


end


ヒューマン・アニマル・ロールプレイ。











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