交尾を快楽に置き換えるのは人間だけだと僕は思っている。じゃないと、僕はこんなことされてないでしょ、みんな好き者だね。 姦されるのは好きだけど、犯されながらも優位に立つ男の膓を引きずり出して、生暖かさを感じるのも大好きだった。 青い顔からどんどん白くなっていくの、そりゃそうだよね、頭に行く筈の血液たちが身体の真ん中からドバドバ出るんだから。その後は近々死んじゃうから、射精してもらった後に切り裂かなくちゃ。 後からどの部分をもらおうかって思うんだけど、いつも迷って腐っちゃうんだよね。 ついこの間もそうだった、手を入れられてそのまま手を切っちゃったもんだから、股下から手が生えたみたいになっちゃって、そのまま腐っちゃった。一時ガバガバだったから留さんに凄く怒られたっけ。 「ね、留さん」 軽く唇を吸うと留さんは綺麗な顔で微笑んだ。 「腐った手の後に突っ込む俺の気持ちも考えろよ」 「ごめんね留さん、大好きだよ」 南京錠のかかる部屋には無数に伸びる白い手がある。腐れるとそれは、物凄い勢いで勝手に格子の間をすり抜けて行く。 黒い南京錠のかかった黒い柩に僕はとても欲しかった身体の一部を入れるのだけれど、個体よりも液体が多くて鍵を壊すようにソコからあふれでてくる。 犯されながらも想っていた、昨日殺した相手のこと。 散らばった死体に犯されながら感じちゃってたよ、冷たいのに。 「留さんは温かいんだけどね…」 「じゃあ冷たくしてもいいけど?」 耳を噛まれた。 ハアハアと息遣いが荒く、そのまま僕を揺さぶって留さんは、たまに冷たく呟くのである。 「やだよ、留さんは殺せないよ…?」 「どうして?俺は早く死にたいのに。」 「じゃあ、射精したら殺してあげよっか?」 「ん、イク、…もうイキそうだから…」 「だめだめ、やっぱり僕は留さんは殺せないな…。」 「……イッたんだけど…」 他の人は殺せたんだけどな…。まさか自分に変な性癖があるなんて?思わないし?考えて考えて、結局今日も留さんの射精後のソレをでろでろ舐めた。そうしてまた格子から覗く男を誘って膓を出してでろでろでろでろ長い腸を柩に入れるのである。 「なぁ伊作、俺はお前から二度と殺されないのかな」 「うん、一生殺されないよ。だって留さんはひとり悩みぬき死を選ぶ人なんかじゃないもの」 「例えんなよ、そんなもん」 「だって、人間はどちらかなんだ。前者か、単に連鎖反応的に死を選ぶ例の二通りしかないんだよ」 「へえ、」 留さんは相変わらず分かっていないふりをしている。知らないくせに、分かったようなふりもしている。 「殺してくれないかな、俺はお前の柩の中に入りたいんだ」 「殺さないよ、柩の中じゃなくて留さんはこの部屋の中から出られないんだから」 「なぁ、お願いだから」 「だめだよ、だって留さんはきっと僕との連鎖で死にたいと思ってるんだろうから…。」 血天井を眺めた事があったであろうか。 南京錠が揺れ柩が揺れる。床に舌を這わせるように、皮膚にも感覚は伝わってきた。 「留さん、僕とずっと気持ち良いことしよう」 「ん、大好きだよ、伊作」 闔が開くときは視界は真っ赤なのだと、僕は自負している。だって鍵は喉の奥。 end >>幻遊斎様 リクエスト有難う御座いました! エログロということでしたので私なりのエログロを書いてみました…;攻めも受けも病みつつ、彼らなりのルールや世界観を描いたつもりなのですが…元来のリクエスト通りになっていませんでしたらば、誠に申し訳御座いません…! いつも幸せな留伊を書いているので、病んだ二人もいいなと思って攻め役を食満で書かせて頂きました。 常に鼻につく血生臭い雰囲気ですみません…。 130222 ← ×
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