(べつに、血を見たから興奮するとか暴力を受けている人間を見たら悦に入るとか、そんな性的染みたモノはないものだと思っていたのに、)
雷蔵は何度か蹴られた後だった。

手足は縛られて身動きすら取れない状況だろうし、それよりもあの結び目、切らないと解けないよね絶対。硬そう、どうやったらあんなに苦痛を与えながら結ぶことができるのだろうか。

猿轡だって、アレ凄く似合っている。横からどうしても垂れるんだよ、可愛い。血かなあ、涎かなあ?舐めて確かめてみたいなあ。


「ア、ア゙ア゙アッ!」

顔面を蹴られた雷蔵の悲鳴で我に還り、木の上からスタンと降りて無言で雷蔵に危害を加えていた者を殺したが、なんだか殺したのは勿体なく感じた。

「雷蔵、遅くなってすまない」

本当は罠にハマり捕まってしまった所から知っていた癖に、わざと息を荒げて急いで来たんだよ、でも少し間に合わなかった、そういう風な話を作り上げる。
こんなことをしないと、俺は雷蔵に嫌われてしまう。嫌われることだけを唯嫌っていた。

そして縄をほどいて、ふにゃんと地に落ちる手を握り呼び掛けると、それはそれは弱々しい。
(ああこれは、血と涎が混ざったものだったんだ。)
大木の木が土中から震えるように夜風でザワザワ揺れていた。

「は、ふあ」
「何言ってるの、」

顎をつたって流れてきた涎を舌で舐めながら、そのまま厭らしく光る路を作って猿轡までも舐める。
雷蔵の頬にみっちり食い込んでいる猿轡の帶をくわえるが、牛皮で出来たその帶は、涎という水分を含んでいるだけであった。噛むと音をたて愛しい雷蔵の涎が口内いっぱいに。
今度はそれに量を増せ、隙間から戻してあげた。

「んッ、う」

ゴクンと大きな音が聞こえ、ズルズルと流し込んだ唾液を飲み込む。君、舌を上手く使えないから嘸苦しかったろうに、ねえ。

「…まだ飲みたい?」
「あう、は」
「うん?何言ってるのか分かんない」
「ぐ、ッウ」

また大量に唾液を流し込むと、喉が上下に大きく揺れた。今飲み込んだものは何時排泄されるのかと、それだけを考えながら雷蔵の股を必要以上に擦る。
身体中痺れたように捩れば唇からボタリ、肩で息をするように唇からタラリ。


まじまじと眼を見つめ猿轡を外したのは、既に雷蔵が達して袴が冷たくジンワリ濡れてからであった。
糸が引くので、それを舌で舐め千切る。涎でびしょ濡れになってしまった猿轡は、重たく冷たい葉の上へボドリと落ちて行った。

「う、わ…雷蔵の口の中ぐちゃぐちゃになってる。ねえ、俺のを突っ込んでもいい、かな?」

歯をなぞるように舐めてみると、異様に不安定で血の味がする箇所があったので、弄って歯を抜き取って、ああ痛かったよなあって。
そこを舌でぎゅうぎゅう押してみたりして、(別に遊んでるわけでもないんだよ)こうしたいだけ。


「ねえ、お願い、突っ込んでもいいかなぁ?雷蔵、お願い」


(お願い、赦して)

end



リクエスト有難う御座いました!
歯をギチギチ締めるのは猿轡しかない!と思ったので´`マニアックプレイさが足りなかったらごめんなさい!しかも暴力シーンを入れちゃってごめんなさい!




090403











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