知恵と力は重荷にならぬ(七松)

力だけで十分!知恵はあると迷っちゃうから、死にやすいんだよね。



月に叢雲花に風(食満+潮江)

「おい留三郎」
「……!」
「なんだよ、いつも以上にふてぶてしい顔して…」
「お前が話し掛けるから…しんべヱと喜三太と平太が起きただろうが!天使の寝顔がお前のせいでパーじゃボケェ!!」
「しーッ!お前の声の方がデカイ!」
「お前はいつもいつも俺の邪魔ばっかりしやがって!!この万年筋肉脳ミソ!」
「だからお前の方がうるさいって!」



鉄は熱いうちに打て(七松+潮江)

「今日の演習さ、仙ちゃんすごくイキイキしてたよね!だからさ、」
「"だから"?」
「今バレーに誘ったら一緒にしてくれると思わない?」
「それはない、絶対ない」



天は自ら助くる者を助く(伊作+食満)

「人に頼らず努力する人を神様は助けてくれるんだって!だから僕はもう留三郎に頼らないから!一人で頑張るから!」
「…あのなぁ、お前がどう頑張ったって無理な時だってあるんだ」
「……だって、」
「俺が必ず助けるからいいよ、お前はお前で」
「留三郎…実は神様?」
「その発想はやめろ」



灯台下暗し(綾部+田村)

「三木は遠くしか見てないからダメだよ、もっと近くも見なきゃダメ」
「近く…?」
「うん、そう。石火矢を遠くへ飛ばすことだけ考えてるでしょ?ほら、ちゃんと見ないと三木の足下は深いタコ壺だよ、落ちたら死んじゃうよ」
「喜八郎…私が簡単に死ぬわけないだろう」
「うん、だけど三木は僕の友達だから死んだらダメだなって…」
「なんだそれ…。」



問うに落ちず語るに落ちる(仙蔵+鉢屋)

「文次郎は寝小便をするといつも顔を真っ赤にして厠に走って行ってたな…。おっとすまない、独り言が。ええと、文次郎は今委員会に行っていると思うが?」
「あの、立花先輩…今のわざとでしょ?てかわざとですよね?」



隣の花は赤い(六い+六は)

「なぁ伊作、留三郎と文次郎を交換しないか?」
「なんで!やだ!僕の留三郎はあげないよ!」
「交換して留三郎が私のものになれば、伊作の文次郎をちょっとでも羨ましく思うかもしれん」
「僕の文次郎ってなに!?やだいらない!留三郎は僕のなんだから!」
「伊作、往生際が悪いぞ?私に"隣の庭の芝生は青い"ことを証明させてくれ」
「証明するもなにも、それは仙蔵だけじゃないか!僕は文次郎をいいなって思ったことは一度もないし、留三郎しか欲しくない!」


「あいつら…人をモノみてぇに言いやがって…!」
「お前突っ込むところそこかよ……」
「おい文次郎、お前なに泣いてんだ?」



飛んで火に入る夏の虫(食満+仙蔵)

「馬鹿だな、お前は。火薬の扱いに長けている私をかばうなんて…」
「そんなの関係ないだろ…火薬の扱いが長けていたって、誤爆はどうすることもできない。怪我するだけだ」
「私が怪我すればよかっただけの話ではないか」
「仙蔵は怪我に慣れてないから、こんなのは俺が怪我すりゃ一番いい」
「留三郎…」


(この男が何故笑うのか理解はできなかった。しかし、私はこの口から言うことはできぬのだが、私は留三郎を本当の友人であると思っている。今までも、これからも、)



ないが極楽知らぬが仏(きり丸+乱太郎)

「しんべヱを羨ましいなって思ったことはあるけど、俺には金がなくてよかったなって思うんだ。」
「でもきりちゃんてば金に目がないじゃない」
「うん、金がありあまってるんじゃなくてさ、金のために頑張るのが好きっていうか、性に合っているというか…」
「よく言うよ、土井先生にアルバイト手伝ってもらってるくせに」
「へへへ…」



情けは人の為ならず(伊→←留)

「留三郎、僕知ってるよ。留三郎が僕を助けてくれるのはきっと僕に情けをかけておけば、いつかはその情けがめぐりめぐって自分に返ってくるからでしょ?善い行いは必ず返ってくるから…」
「本当にそう思ってんのか…?」


この日、ずっと大好きな人と、初めて大きく盛大な喧嘩をしました。










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