緋色(仙蔵)

生きてちゃあ
駄目、 だろう。

おまえ、おまえだよ。



色煤(久々知)

死んだがマシだったなと延々思い続けながらも死ねない弱さにビクビクしながらも痛みさえ無感覚にしようともできないできない、

全て剥がされた爪を視ることのできぬ、この、針が深く刺さった我の眼、球。



紺碧(竹谷)

嗚呼、晴れているねえ。



赤墨(小平太)

私って、人をむやみやたら殺してたんだなあて。
隣の奴の首が飛んで解るものなのだ、人間てなんて汚すぎる!

(そんなものか、)



朱色(綾部)

手を引いてくれていた貴方は今、足下で蠢いていますズルズルズルズル。

「もう頭の骨、見えてるじゃないですか、逃げれますか?」

返事をしなかったので返事をするまで待ちますね、明日の朝までには僕も死ぬと思いますから。



若緑(鉢雷)

「帰るから、」
「うん」

それから三郎を一生見ることはありませんでした。
「帰らないんじゃなくて還っても来ないじゃないか」

君、どんな風に海を見たの、



空色(竹雷)

「還らないから、」
「うん」

神無月も手前、薄汚れた服を着た白い歯の君を見ました。
「還らないって言うもんじゃないよ、帰ってきてくれて有難う」

三郎の存在一切、僕の頭からサヨナラだね、



(孫兵)

ただ蒸し暑くって、背中の痒さに泣いただけなのに臓器が流れ出るだなんて。
あまりのどす黒さにワアワア泣くと首が飛ぶだなんて。

(そうだなあ、僕は泣かないから死んだ君のお墓を作ってあげようかと思っているんだよ。君を殺した奴は僕が殺そうかと思うのですが、僕はいつまで生きてるんでしょうかね)

(無気力!)
(無力!)



深緋(こへ滝)

「お前の首切って死ぬからさあ死ぬ、死ぬから私も死ぬんだから!」


裂けた皮膚と
噴き出す血と

笑顔と泣き顔
(正気の沙汰なのさ!)



灰白色(鉢雷)

影を残して消え果てた愛しき人、肉体は何処へと隠されたのですか。
(一瞬で、だよ。ありえないよそんなの)

死体を踏んでこう叫ぶだろう自身の喉は、
「お水を下さいませんか」
それから愛しき人、探すのです。




 memo
実はまさかの戦時パロでした。
上から順に、

三光作戦(殺しつくし奪いつくし焼きつくす)
日本兵は殺しつくし奪いつくし焼きつくして中国人の人口を減らしました。殺すのが楽しくなってきてしまい何故生きてるのかを問い虐殺したくて堪らない仙蔵。

日本兵捕虜(拷問)
捕虜になること事態が恥の上に、拷問されている事で死にたくて堪らない久々知。拷問されても自白しないので殺されるしかありません。

サイパン島(飛び下り自殺)
サイパン島に残された日本兵は日本に帰る事も出来ず米軍に追い詰められる。指令部は自害。他は眺めのよい高い崖から飛び下りて死にます。空は晴れ渡り、海は青くて綺麗な景色の中死ぬ笑顔竹谷。

太平洋戦争(ソ連軍侵攻により関東軍が虐殺暴行の的)
今まで中国人を虐殺してきた日本兵が太平洋戦争末期、ソ連軍侵攻により立場が逆転。反対に日本兵が暴行の的になった。自分たちがそういう立場になったとき初めて人の痛みが分かってしまった小平太。

日本空襲(東京大空襲)
空襲の中、手を引かれながら逃げる綾部だけども綾部の手を引いてる人が瓦礫の下敷きになって顔面ぐちゃぐちゃに。時期炎に包まれて死ぬので綾部もその場にずっといる。大切な人を失ってまでは生きたくない。

特攻隊(神風特攻隊)
特攻隊に選ばれ、帰ると言い残したけど還らない鉢屋と還らないと言い残したけど帰ってきた竹谷。雷蔵は帰ってきてくれた竹谷と結ばれます。でも鉢屋の事は心の隅でずっと想ってる。

沖縄戦(日本兵による虐殺と自害)
泣いた弟は日本兵から「うるさい」と言われ銃剣で腹を切られました。弟の内蔵が全部出ました。弟が死んだ事に泣きわめいた姉は日本兵から首を切られました。という沖縄人の実話を孫兵に。
愛しい妻の喉元を剃刀で切り子供は殴り殺し、自分の首を剃刀で引き裂いて自害している人がいました。の実話を小平太と滝に。

原爆投下(広島、長崎)
原爆投下。放射線が体を貫き、寄りかかっていた壁に人影ができるのだけど、その寄りかかっていた人は一瞬で溶けていなくなってる。放射線を浴びてるので結局焼け爛れた喉を水で癒しても死ぬ。溶けた方が鉢屋なのか雷蔵なのかは分からないです。


戦争を少しでも知ってくれれば幸いです。










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