強い風に打たれるように、たくさんの真っ白い洗濯物はバサバサと太陽の下で嬉しそうに笑っていた。
雲一つなかった。

「きりちゃん、お休み中なにしてたの?」
「んー…毎日土井先生の好きな料理作ってた」
「きりちゃんてばホント土井先生のお嫁さんみたいだね」

オレは少し照れたような素振りをした。

「からかうのはやめろよ乱太郎」

顔は赤くなっているだろうか?
土井先生に対しての特別な気持ちはバレていないだろうか?
バサバサ、洗濯物が靡く。それだけ。



「土井先生、きっとオレの料理しか食えなくなるよ。土井先生、オレのこと大好きだもん。そっちが都合いいんだ。だって、いつでも殺せるから」
「きりちゃん、風が強くて聞こえなかったよ」
「“復讐”なんだよ、あの時の」
「なんの話?」
「そういえば乱太郎、火薬の授業の復習したー?」
「えーしてないよ、忘れてた」


end











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