――某反政府組織アジトにて。

「…ん?おい、終夜。
お嬢の部屋の前で何してんだよ」
「む、寅之助か。
何も、何もしておらぬぞ私は。断じて盗み聞きなど」
「自分で言ってるっつーの。
…で、何でまた盗み聞きなんかしてんだ」
「うむ…どうやら、理一郎も一緒におるようなのだが」
「(アイツはまた勝手に…!)
…何があったんだよ」
「そなたも聞いてみれば分かるであろう」
「はぁ?」



『…おい、撫子。濡れてきてる』
『理一郎の、所為じゃない…っこんなことして…』
『これも、おまえの為なんだ…』
『待って…も、だめ…っ』



「!?おいおいおい、これってまさか…」
「何やら気になるではないか。私も混ぜてもらうことにしよう」
「だあぁーーっ!!待て馬鹿!おまえ分かってねえだろ!」
「む?静かにせぬか、寅之助。入る前に気付かれてしまうぞ」
「っ…とにかく、ちょっと待て」
「何故だ。この機を逃す手はあるまい」
「(意味は違うだろうけどな…)確かに、今しかねえ。
お嬢の安全を確保して、とりあえずアイツを一発殴る」
「穏やかではないな」
「あたりめーだ…ろっ!!」

ガターーン!!

「!?」
「え、トラに終夜…?」
「理一郎!てめーお嬢に一体なに、を…!!?」
「む、どうしたのだ撫子。色々着込んでおるようだが」
「え、ええ…ちょっと寒気がするから風邪かもって言ったら、
理一郎が暖かくしとけってこんなに。心配性すぎるのよ」
「おまえが素直じゃないことはよく分かってるからな。
周りが少し心配性なぐらいがちょうどいいんだよ」
「だからってやりすぎだと思わない?
これじゃむしろ暑くて汗が…はあ」
「………」
「…おい、寅之助?さっきからなに黙ってるんだ。
オレに用があるような口ぶりだったが…」
「て・め・え・は…
紛らわしいこと言ってんじゃねえよ!!」
「は?なんのこと…おいやめろ、殴りかかってくるな!」

「…なんなのよ一体」
「どうやら寅之助の勘違いだったようだ。あれは八つ当たりであろう」
「え?それじゃ理一郎があまりに不憫だわ。ちょっと止めて、」
「ああ、撫子。汗をかいておるのだろう。
シャワーを浴びてきてはどうだ?」
「え…っと、勝手にいいのかしら」
「私がついておるゆえ安心するといい。見張りをしていても良いぞ」
「(確かにそうね…終夜が一番安心かもしれないわ)
じゃあ、お願いしてもいい?」
「ああ、心得た」



「お、おい待て、撫子と終夜がいなくなってる」
「は!?アイツ…お嬢をどこに連れていきやがった」
「(何だかんだで終夜の奴、
一番おいしいところを持っていくよな…)」




..............
というわけで勘違い話。無理矢理すぎてすみません…!
どうか脳内補完してやってください←
一見理一郎が不憫なようで、実はトラが一番不憫なんじゃないかっていう。
終夜はいつもオイシイところを持ってくイメージがあります(笑)


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