なんてことはない、ふとした拍子に途切れた会話。
会話の終わりなんてものは唐突にやってくるもので、沈黙がどうもむずがゆく思えて仕方ないあたしは必死に次の話題を探していた。



昨日行った依頼先での話…は、さっきした。

大将との訓練の話…は、するまでもなく彼はその場に立ち会っていた。

ミストとの他愛ないおしゃべり…は、これは内緒って言われてたんだった。いけないいけない。



そんな風に焦って一生懸命脳内をフル回転させるあたしの汗ばんだ手を
キルロイさんの大きくてやさしい手がゆっくりと包み込む。



きゅっと握り返すと
おなじようにしてぎゅっと握り返してくれる。




あぁ、こんな会話もあるんだなぁって、あたしは生まれて初めて知ったのだった。





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