え、羨ましい?わたしの彼氏が…って、蔵?えええええ何で?あ、いや、譲らないって。……でも蔵って結構変なとこあるじゃん。例えば…ほら、あの「エクスタシー!」とか叫びだすところ。なんで誰も突っ込まないの?どう考えてもおかしくない?わたし初めて聞いたときドン引きしたんだけど…あ、そう。…個性で片付けてもらえるなんてイケメンは得だね。大体、ギャグのセンスもいまいちじゃない?…あ、そこは同意してくれるんだ。一緒に帰ってるときとか、しょうもないギャグ言うくせにすんごい期待した目でわたしの反応待ってんの。え?笑わないよ。スルーしてる。だってウケると調子乗るし。可哀想って言ったって仕方ないじゃん、毎日聞かされるわたしの身にもなってよ。しかもさあ。ちょーっとわたしが毒草に繋がる話しちゃったら延々30分は語りだすんだよね。そうそう、初デートね、植物園…思い出したくもない。別れようか本気で悩んだな。初デート記念にとか言って買って貰ったなんとかの草の苗はもう枯れたし…………あ、そうそう!この話も聞いて!蔵を本気で怒らせた話!なんか部室でカブトムシ拾ったらしくて、飼い始めてるんだけどね。名前が
ね…ぶっ…カ、カブリエル。ほら笑った!笑うでしょ普通。カブトムシとガブリエル掛けてるらしいよ。わたし爆笑しちゃってさあ。そしたら蔵もすごい怒ってそれからずっとだんまり。あんな蔵初めて見た。お詫びにカブトムシの飼い方が書いてある本あげたらめちゃくちゃ喜んでたけどね。…ああ、うん…まあね、ちょっと引いた。でもここまで言ったら分かったでしょ?とにかく蔵は変なんだって。……あれ、なんか顔ひきつってない?どうした、の……

「誰が変やって?」
「ヒッ!く、蔵…」
「えらい楽しそうに話しとったやん」
「い、いや、そんな…ねえ?って、い、いない!」
「お前の友達ならトイレ行きよったで」
「裏切り者!」
「なあ、今日は部活ないねん。俺ん家寄って帰り」
「わ、わたしちょっと用事…」
「寄って帰るやろ?」
「……ハイ」




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -