「いらっしゃいませー」
「こんばんは、名前ちゃん」
「こんばんは。カウンター席取ってありますよ、どうぞ」
「ありがとう」


1年程前から働いているこのイタリアンのお店には、毎週金曜の夜にフランシスさんという常連客が来る。フェリさん、ロヴィーノさんとは知り合いらしい。(フェリさんはこの店のオーナーで、ロヴィーノさんはチーフだ)フランシスさんが初めて来たときに紹介してもらった。少し癖のある金髪とコバルトブルーの瞳がとても印象的で、見惚れてしまったのを覚えてる。その時はフランシスさんがまさかこんな人だとは思ってもいなかったけど。


「今日もかわいいね。何時上がり?」
「ご注文おうかがいしまーす」
「……ボンゴレビアンコと白ワインで」
「かしこまりました」
「冷たいなあ、お兄さんがこんなにアピールしてるのに」
「アピールは他の人にお願いします」
「もう俺名前ちゃん以外考えられないんだけど」


軽口ばかりで毎回こんな調子なのだ。ロヴィーノさんにフランシスさんに気をつけるよう言われたこともある。ロヴィーノさんは可哀相なことに昔狙われたことがあるらしい。真っ青な顔で忠告してくれた。(一体何があった)

フェリさんにオーダーを言って、冷えたワイングラスに白ワインを注ぎフランシスさんの前に置く。小さく「メルシー」と言われた。


「まあわたしはフランシスさん以外の人なら考えられますけどね」
「ほんとに冷たいなあ。…あ、最近はやりのツンデレ?そうかそうか。大丈夫、お兄さんはちゃーんと分かってるから!」
「フェリさーん、やっぱりさっきのオーダーボンゴレ抜きでお願いしまーす」
「りょうかーい!」
「ちょっとちょっと!」



ボンゴレ=あさり




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