薄桜鬼一番書きたかったシーン
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ゲームが手元にないので超うろ覚えですが、供養として書いておきます……。
すごい雰囲気小説です!!
シーンとしては屯所に風間軍団が襲来し、(確か)土方が風間と対峙するところです。
男装時の名前を変換し、本性(女性)時の名前は千歳で固定ですすみません。
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勝てるはずがない、となまえは思った。人と鬼では力の差がありすぎる。
なまえは己の手の平を見つめる。ここにいられなくなるかもしれない。けれど、このままでは誰かが死んでしまうかもしれない。
「……仕方ないな」
ぽつ、と自嘲気味に呟いて、なまえはひらりと土方の前に舞い降りた。
「なまえ!?」
「ごめんな土方さん、あんたじゃこいつには勝てないんだ」
柄でどすっと腹に一撃を加えて昏倒させ、なまえは飄々とした様子で風間に向き直る。
「お前、架室樹、とか、言ったか……?」
風間が、すっと眉根を寄せた。見覚えがある、気がする。
「そう。だけどな、本当は濁らないんだよ」
「濁らない……、っ!?」
「かむろぎではなく、“かむろき”。神の鬼と書く」
ぶわり、となまえの周りに風が起こった。
「さあ、やろうか」
そう言ったなまえの髪は銀色に光り、その眼光は金を宿している。額には、三本の角が等間隔に並んでいた。
「何故……、神鬼は滅んだと……」
「違う、滅ぼされたんだ。だが、俺は生き残った」
「ちょっと、待て、であれば、千歳は……!!」
ぴく、となまえが反応する。風間の表情は切実で、なまえに微かに笑みが漏れた。
「そうか、お前、千歳を好いていたのか……」
だが、
「教える義理はないな」
ずん、と地響きが聞こえたのかと思った。けれどそれはなまえが踏み出した音で、キィンと鉄がぶつかり合う音と共に風が巻き起こる。
「っ、答えろ、千歳は、」
「千鶴ちゃんを攫いに来たくせに、女鬼ならだれでも良いのか?モテないぞ」
まぁ帰ってもらうがな、となまえは風間を圧倒する。まるで舞でも舞うかのように風間の剣をよけ、鍔迫り合いをするなまえの姿に、新撰組の隊士らはただ見ていることしかできなかった。
「うせろ、」
なまえが低く唸って風間に一太刀浴びせる。風間は寸でのところでそれをよけながら後退すると、忌々しげに表情を歪めてからその場を去った。
なまえは剣を横に払って、頭を振る。すると銀糸の髪が黒へと戻った。しかしすぐ、体が傾ぐ。
「く、っそ……」
剣を地面に突き立て体重をかけてなんとか倒れるのをとどめるが、ぐっと口元を押さえたかと思いきや酷く咳き込んで指の間から血が飛んで地面を汚す。
「やっぱ、だめ、だなぁ……」
血のべったりとついた掌を見つめ、なまえは微かに微笑んでから地面に倒れた。
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ってゆー、これを書きたかったんですけどね。本名と鬼である本性をばらすシーン。
ちなみに血を吐くのは男の姿で鬼の力を解放すると男と同じ力を振るえるけれど本当は女だから反動がでかすぎて体が耐えられない的なことです。
自己満足供養。
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