はじまり

 部屋にたどり着いて先ず、窓を開けた。
 元修道院だと言うそのホテルはきちんと磨き上げられ清潔さに溢れていたけれど、光を遮る木の覆いの開閉には年月を感じさせた。私は少し、苦笑した。
 蝶番を軋ませる。光を部屋いっぱいに行き渡らせる。


「……素敵」


 地上から僅か4階部分のルームナンバー33。天井を通る梁が、淡いオレンジの光を拡散させる僅か20平米の空間。キッチンは共用。グルメーフォーチュンの駅から徒歩15分。
 開け放った窓から見える町並みは雨後の夕暮れに染まって、伺える家々の外壁に毒液が塗ってあるなんて、信じられない位、落ちる太陽の輝きに溢れていた。 

 16歳。秋学期までの長期休暇を利用した、初めてのバックパックトラベル。先ずはそうね、1ヶ月の快適さを確保するため荷物を少し軽く――する前に、ロビーでどこか、良いレストランが無いか聞いてみましょう。私は思って、胸を湧くつかせた。

 翌日の朝。トラベラー用のタウンパスを申請し、インフォメーションカウンターへ。手続きまでの数時間、お薦めの占い師を数名教えてもらった。去年頃に開業したおひとりが、とても素晴らしくてかなりの的中率らしいけれど……駄目ね。興味が無くて、聞き流してしまったわ。代わりに、この町のライブラリーの場所、そして猛獣が出現する日時と時間帯を教えてもらって、それはしっかりと記憶した。
 案内の彼女は、私の旅の目的にとても驚いてそして、笑っていた。グルメーフォーチュンへ、占いでなく、猛獣目当てに来た子は私の人生でお嬢さんが初めてよ。と…そんなに、珍しい事なのかしら。
 
 お昼前に、ライブラリーへ。この街と同じ位、そんなに大きな規模じゃなかったけれど、街の歴史書は充実していた。パスポートを提示して、貸し出しカードを作って、持てるだけレンタル。この為に背負っていたバックパックにつめる。
 外へでたら空はどんやりと重い色をしていた。一度帰ろうかしら、それとも…お昼の食材を買いにいこうかしら。確か共用のキッチンがあったはずだわ。私は少し迷って、ライブラリーへ向かう途中にあったカフェを思い出した。こじんまりとした小さなカフェー。今日は、そこで頂きましょう。
 たどり着いて、少し緊張しながらカウベルが鳴る扉を潜った。カウンターと少しのテーブル席。カウンターの中には老齢のマスターが、丁度常連と見える老人にラーディッシュのサラダを手渡していた。それも、カーネリアンラーディッシュ。ガーネットの様に赤い小さな食物は、私の大好きな食べ物のひとつ。

 カウンターでラーディッシュのサラダと、冷たい紅茶をオーダーしてから席へ向かった。バックパックの事もあって、テーブル席へ落ち着く。
 窓際で、でも入り口とは直角の路地裏に面していたから隣の家のガーデンが少し見えた。食事が来るまでと、借りてきた本を取り出したのに、私は自分の事をこの時忘れて居たみたい。つい、黙読してしまい、気づいたら折角のラーディッシュのサラダをないがしろにして、2時間。
 サラダは少し乾いていたのに、ドレッシングが絶妙でとても美味しかった。紅茶のおかわりを頂く時マスターに、ずうっと本を読んでいるから知識が栄養かと思ったよ。と、笑われた。その笑顔や声がなんだか心地よくて、私は謝罪の後、自分の事を少し話した。彼は穏やかに聞いてくれて、もし、祖父が居たならこんな感じなのかしら。と、思った。

 翌日も、お昼はそこへ赴いた。ラーディッシュのサラダと、マスターとのささやかな会話を目当てに。

 翌々日は朝、ざあざあ降る雨の中教会へ行ってそれから本を返しに行ってそして、そこの司書の方と話し込んだから、カフェへ行くのが少し遅くなった。
 それこそ丁度、お昼時。
 レンガで作られた広場や、通りには色々な服装の人が歩いていた。恐らく占い師の方かしら。
 時折、呼び止められて占いの押し売りをされそうになったのには驚いたけれど同時に、これも旅の醍醐味ね、と、実感もした。世の中には本当に、色々な方が居る。
 カフェまで後僅かと言う石畳の坂を上っていたら、少し上の所でローブをかぶったいかにもな老婆が、紙袋からオレンジをいくつも零してしまった所に出くわした。
 傘をさしていらっしゃったから、ぽろぽろぽろぽろ、オレンジはこぼれ落ちる。あ、と。声を掛ける間もなく石畳の隙間に沿って雨が流れ落ちる道を、鮮やかな色彩でころころころころ転がっていらしたからそこにいる誰もが銘々、彼女の拾い物の手伝いをしていた。私も、その大きなひとつが丁度近くへいらしたから拾って、彼らがしたように彼女に手渡す為、歩み寄った。濡れて更に瑞々しくなった大降りのオレンジをコートの裾で少し拭う。
 彼女は彼らからオレンジを受け取る度に礼を、そして何か彼らを笑顔にする事を言っていた。やっぱり、この方も占い師なのかしら。


「あの、こちらも」


 声と一緒に差し出せば、彼女は恭しくそちらを受け取ってそして、私には


 ――まあ、シィニョリータ。……貴方。だからオレンジ達が、飛び出したんだね。


 にこにこ笑って、素敵なこと。うんうん。と、二の腕をぽんぽんされた。私はよくわからなくて曖昧に、お気をつけて……。と、苦笑するしか無かった。

 カウベルを鳴らして、店内に入った。カウンターからマスターが振り返って、今日は遅かったじゃないか。と、カイゼル髭を揺らしてお話しする。


「ライブラリーで、司書の方と色々お話をして居ていました」


 店内はいつもより少し、人が多かった。いつも一人しかいないカウンターにも、数名、人が座っていた。昨日まで読書に夢中で気づかなかったけれどもしかしたら、いつもこのくらいいらっしゃるのかもしれない。
 けれど道すがら通り過ぎた大通りのカフェより閑散としていて……このこじんまりとした所が私は好き、と思ってしまう。天井を走る剥き出しの梁の色も、内装も、どこかノスタルジアを感じさせて、心地良い。

 入り口の隅で傘の水滴に気をつけながらバンドを止めていたら、同じ物だろ?と、マスターに聞かれた。私はなんだかそれが嬉しくて、「はい。お願いします」答えて、いつもの席に向かおうとした。なのに、マスターがそれよりも早く、今日はカウンターへおいで。と。しかも、男の方が居る真横の席を薦められた。


「そちら…ですか?」聞けば、ほら。と、推される。


 大丈夫、なのかしら。だって、横の方、ため息を着いて首裏の、その頭部を覆うグリーンのターバンから零れ出ている黒髪の後れ毛あたりを、困ったように掻いていらっしゃるのだけれど。
 迷っていたら、はやく。と、せっつかれた。
 よく分からないまま、言われた通りにスツールに座る。革張りの、落ち着きが良い席。入り口に居たときは気にとめなかったけれど、私の真横に座るその方は大柄で、とても男性的な……例えればミケランジェロのダビデ像、あるいは、バチカンのラオコーン像をもっと逞しくした感じの方だった。――どうしましょう、少し、怖い。

 ずっと女性ばかりの環境で、知り得る異性と言えば司祭様か、クラブの大会で時折すれ違う他校の生徒ばかりだったから、石膏じゃない生身の男性的な方には萎縮してしまうわ。
 そんな私なんてそしらずに、マスターは彼に話しかける。この子だよ、最近来た旅行者だ。お前さんと歳も近いし、本も好きだ。話し相手になってやれ。
 そして私には、こいつはこう見えて占い師なんだが、それに置いても中々、博識なやつなんだ。良い奴ではあるから、安心しなさい。

 マスターの親切心が、この日はご遠慮願いたいと思いました。でも、そう言われてしまったら、そして、その方と目が合ってしまったら蔑ろにするなんて失礼、私には出来なかった。だから新任の神父様とお話した時の気持ちで居住まいを正して、


「初めまして。クラル・ノースドリッジと申します」
「ココ、だよ」


 顔を合わせたその方は、俳優のように整ったお顔立ちというか、それこそ彫刻の様な目鼻立ちをしてらして少し、安心してしまった。
 挨拶と一緒に差し出した手はそのまま無視されてしまったけれどでも、そんな事。きっとシェイクハンドが一般的な土地の方じゃないんだわ。思って、それよりも彼の名乗った名前に私は注目した。


「……ココ、さん」
「珍しいかい?まあ、確かに男性ではあまり聞かない名前だしね」
「あ、いいえ」


 言葉は柔らかいのに、その音には声を出す事への煩わしさを感じた。気づいてしまったのだけれど、どうしましょう……。でも、多分、これなら言っても良い事だわ。


「私のクラスメイトのお兄様の愛称と同じでしたので、驚いてしまいました」
「へえ。でも僕に兄弟は居ない。その彼とは別人だ」


 すまないね。そう、横を向いて紅茶を一口お飲みになった。いつもの私だったらきっと、そんな彼の態度には萎縮と言外の意思を感じ取って、そうでしたか。とだけ答えたでしょうけれどその時は、ふと思い浮かんだままこう言ってしまったの。
 なんだかおかしく思って、くすくす笑いながら、


「答えられたら尚更、驚いてしまいます。その方のお兄様は、御年50歳ですから」


 それは出発前に、偶然寮に残っていたクラスメイトの方と談話室で交わした会話。私が明日から暫くグルメフォーチュンへ行きます。と、お話をしたら彼女が教えてくれた、彼女の情報。
 ええ。普段だったら言葉にしないでしょう。けれどこの時の私はきっと、自分でも気づかないほどこの旅に浮かれていていつもより少し、大胆になっていた。そして、私を彼の横に進めて下さったあの、グレイヘアでカイゼル髭がとても似合うマスターへの義理もあったのかしら。
 彼の手前、会話を途切れさせてしまう様な失礼をしてはいけないと、思って。


「……50歳?」
「はい。50歳です」


 だから私はこの時、目の前の方の私への心証がどうなろうが、どうでも良かった。
 だって、この時の――ココさんは、あまりにも素っ気なかったんですもの。それは、今と比べて本当に同一人物なのかしらって、思えてしまうほど。


「……お兄さん、だよね?」


 けれど彼は、この話題に少し興味を抱いて下さって、


「父親ではなく…」
「はい、私のではありませんけれど、お兄様です」
「分かってる。君の、クラスメイトの……お兄さんだろ?でもそれにしては…年が離れ過ぎてやしないかい?だって見たところ君は……」


 その疑問が、私が初めて彼女からこのお話を聞いた時に抱いて口にした物と、全く同じ物だったから私は何故だかおかしくなってしまって、同時に、嬉しくもなった。


「そうですね。私も、彼女もGCSEを受けたばかりです」


 口にしてから、気付いた。そう言えば彼はGCSEをご存知かしら。それは私の国の教育のひとつで、義務教育が修了する15〜16歳に受ける、試験制度。その結果がその後の人生に大きく影響するから、母国ではとてもとても大切な通り道。でも国が変われば、システムも変わる。ご存知の方は少なくなる。
 けれどその疑問には直ぐ、彼の口が訝しむ音で小さく動いた。「16か……」そう言えばマスターが、博識な、と言っていたわ。良かった。
 安堵と一緒に、不思議な喜びと好奇心が芽生えた。私は、ふふっと、小さく笑ってしまった。
 いけないと、と気づいて直ぐに彼を見直した。彼は……ココさんは、少し訝しんだ様子で私を見ていらした。だからと言う訳ではないのだけれど、思ったの。この方は、マスターが仰った様に本当に、とても良い方なのかしら。正直で、実直な方。


「お兄様は、お父様の連れ子だそうです」
「ああ…成る程、」


 種を明かすと本当に、そのお言葉通りの顔をした。


「…驚いたよ」


 少し笑って、紅茶を一口飲んでいた。


「私も。初めて聞いた時は驚きました」


 そのお顔を見たら、私、もしかしたらもう少し踏み込んでも良いのかしら。とも、思って。マスターから差し出されたアイスティーを、ストローでかき交ぜながら、続けたの。


「ですから…貴方が仮にその方だとしたら、私は、次は度肝を抜かれてしまいます」


 彼が、ふとした様に私に目を向けた。その時のお顔は、何だか少しあどけなくて、綺麗な形の眉がよく見ると少し短い事とか、鼻筋か整っている事、冷ややかと思っていた瞳が実はとても綺麗な宝石の様に輝いて、掘りの深い目元の睫毛は長くて、良く見れば印象とは異なった中性的なお顔立ちをしている事に、気がついた。
 耳の横(その耳もまた形が良くて、それなのに色の強いチャーンカフスとピアスが付いていた)、そこにはとても男性的な色濃い揉み上げが顎のラインにかかる位置迄は異揃っていらしたら、そのアンバランスさに、なんだが、ふっと緊張が解れる。


「最近の50歳はとってもお若いと…貴方は、20代後半くらいでしょうか?」


 彼の目が、少し瞬いて、やがて吐息で一度笑う。


「…君の目に僕がどう映ったか知らないが、これでも未だ23だよ」


 今度は私が、瞬きをした。あら、と零したかもしれない。まあ、と一息ついたかもしれない。思ったよりも、お若かったわ、と。内心少し、焦ってしまった。


「……それは、失礼致しました。私、間違えてしまいましたね」
「ま、それはいいさ。…さして変わらない気もする」


 私は、そんな彼を認めつつ、続けた。


「でも折角教えて頂いたので、改めて。貴方の事は"23歳のココさん"。と、覚え直します」
「そう、だね。そうして貰えるなら嬉しいよ。何事も、正しく認識する事は大切だ」


 そして、迷う事無くこうも続けた。


「僕と愛称が同名だと言う50歳の男の話、とかね。ついでに僕の名前は愛称でなく、本名さ」


 言い切ったココさんはその時、呆れたともでも、友好的とも感じる笑みを口元に乗せて、一度だけ肩をすくめた。ふと、肩の力を抜いた。
 私はなんだかそれが嬉しくて、でもおかしくもなって、くすくすと笑ってしまった。


「何がそんなに可笑しいんだい?」


 彼が、私を見て少し、ニヒルに笑う。私はその姿もなんだかおかしくて、「だって」一度息を置いてから「ココさんが、とてもユニークな方ですから」くすくす笑い続けた。
 ほんの数分前の彼を思えば、全く想像のつかなかった事だから私はこの時、思ったの。もしかしたら、彼は本当はとても人の良い方なのかしら。と、取っ付きにくい様な印象は飾りたてたもので、生来はとても真面目で面倒見が良くて、優しい方なのかしら、と。


「……そうかな、はじめて言われたよ」
「もう、」


 惚けた様子で言われた言葉に、ご冗談でしょう。と、返したらココさんは、酷いな。と、仰ってやがて、私と同じ様にくすくす笑って、この日からこの街のいろいろな事を教えてくれた。


オレンジの片割れ
―prorogue―





 これが、彼と初めて出会った日。

 あれから何度も何度も季節が過ぎても私は、良く覚えていた。だからある日、ふと、彼はどうかしらと尋ねた時についでに、第一印象を申し上げたらココさんは、暫く後に、白状くださったの。いや、すまない、正直始めは、「君と、親しくする気なんて無かったんだ……」って。とっても気まずそうに。私は少し、ぽかんとしてしまったけれど、


「確かに、そのような雰囲気では、ありましたね…」


 思い返したままに呟けば思い当たる事ばかりで、納得した。ああやっぱり、そうだったのね。


「いや、今は全くそんな事。思って居ない。思って居ないから…だから」
「……はい」
「そんな顔、しないでくれ……」


 彼は、とても立つ瀬が無さそうに、すっかり馴染み深いリビングルームで、ソファの横並びに座る私の手をぎゅうっと握った。
 その日は2人で、借りて来た映画を観ていた。その内容と言うのが、人生の岐路に立たされた女性が旅にでてその先で新しい友人を得てやがて、恋にと落ちると言う、少し、私と重ねてしまうものだった。だからふと、思い出したら笑ってしまって、彼に気付かれたまま、口にしてしたの。そう言えば私達も、出会いは私の旅先だったのを思い出しまして。貴方は初め…そうね、杯中に蛇影を見たような態度で今とは全く違って……ココさん?どうなさいました?
 後は、今の彼の、出来上がり。居心地悪いご様子で私の手を握って、鼻と唇の間に反対の手指を添えて、きっと言うんじゃなかった。と、後悔してる。


「ココさん……私、」
「クラル、本当に……」
「気づいていました」
「え!あ、そ、そうか……そうだよな」
「それでも改めて言われると、」


 私はきっと、彼に微笑んで、大丈夫よ。と言うべきだったのでしょう。喉奥に小さな針を認めても、飲み込んでしまうべき。きっとそれが、良い女という物なのでしょう。けれど、もやもやしてしまった。
 納得はしても、理解と感情は別の物。


「ショック、ですね」
「いや、本当に、その時だけなんだ。後はそんな事全く思わなかった。良い子だと、思ったし、もっと話がしたいとも感じたし、君と仲良くなりたいとも思って、」


 不思議ね。過去はどうあれ今、彼は私をとても大切に、愛して下さっている。この時だって、凄く慌てていらして、巷の方が噂されているポーカーフェイスなんて剥がれきっているから、分かっていたのだけれど……。私だって、彼が大切で、ココさんをとても愛していますから。そんな女心が、私の事……一目惚れじゃなかったのね。なんて、拗ねてしまった。


「はい。分かっていますよ」
「クラル……」


 女々しいってことも、分かっています。だからこそ余計に、この事で傷付いてしまった自分が情けなくて、彼に申し訳ないくて。だって私も、よく考えたら一目惚れとは少し、違いますし。仲良く出来ないかも、と始めは思った位。だから、こんな独りよがりで酷い気持ち、話せなくて、気持ちの整理も兼ねてバスルームの大掃除をしようかしら。と、思った時。


「ただ今考えれば、一目惚れだったんだと、思う」
「……ココさん?」
「最初はどうあれ……あれから君の事が気になっていたし、その、IGOで再会した時は、嬉しかった」
「ココさん……」
「クラル」


 彼の言葉に、頬が熱くなって私は、


「私、あの時、未成人でしたよ……?」
「……君、ほら、大人びてるから……」 



 気まずそうに唸る彼を、可愛い方、と思った。

 バックパックトラベルで知り合った、私達。
 その時は本当に、何事も無く終わった。私はココさんのアイデンティティの何一つも、知らなかった。お互いにただ、旅先で得た友人くらいの心持ちだった。それなのに、あの時から2年後、私がIGOへ入社した年。私からして驚く程、偶然に、私達はもう一度出会った。

  | オレンジの片割れ|  
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -