睡む空間の戯れ






※タクスガ
※事後、翌朝




心地良く眠っている時に起こされるのは好きじゃない。逆に好きな人なんていうのがいるかどうか(多分いないと思う)はさておき僕はそれが好きじゃなかった、低血圧っていう訳ではないけれどあのどこかふわふわとした気持ち良さから急に現実に戻される感覚が好きじゃない。何となく損した気になる、まだ寝れるのにとか邪魔しないで欲しかったとかそんな事を思ってしまう。ずっとそう思って過ごしてきたのだから最近そういった感情を感じさせない相手。そういったものを感じさせないで朝起こしてくれる相手、というのが最近僕に出来た事は素直に喜ぶ事なんだろう



【微睡む空間の戯れ】



眠っていた中不意に体の上へと感じた違和感に僕の意識は目覚めた。覚醒しきっていない体にのしかかる違和感…その重さに息苦しさを感じる、何事だろうかとゆっくり開いた視界に飛び込んできた朝日が眩しい。だが目の前にある光景には中々に眼が幸せだ



「ん、ぅ?あぁ……朝から大胆だね、スガ…ちゃっ!?」



緩ませた途端頬を思いっきり指で引っ張られ微睡んでいた眠気が一気に覚めた。のしかかる重さ…腹部の上を跨り自身の体重をかけてくるスガタの金色の瞳は全く笑っていなくて明らかに怒ってるのが分かる



「へーそう、タクトはまだ寝ぼけてるのか。だったらもっと目が冴えるように起こさないとな…」



「い、いひゃいいひゃい!!起きてます起きてます、寝ぼけてません!変な事言ってごめんなさい!!」



自然に眼に浮かんできた涙で辺りが滲み始めた頃やっと頬を掴んでいた指が離れる。目覚めていきなりこの仕打ちとは現在自分の恋人はかなりのご機嫌斜めらしい、それはもう軽い冗談(…実はちょっと期待もしてたけど)さえ全く通じない程に。ああこれは後で腫れるんじゃないかなぁと痛みが残る頬を掌で包み込みながら僕はそんなスガタの様子を慎重に窺った



「朝からご機嫌斜めみたいだけどどうしたの?…僕、スガタになんかしたっけ?」



ここまで怒らすような事をしたのかとさっきからずっと考えているが検討もつかない、完全にお手上げ状態だ。なら本人に直接聞くしかないというもの。だがその想いも虚しくスガタは僕を見て微妙に肩を震わせる



「……なんかしたか、だって…?」



そう言った途端、それまできちんと留めていたパジャマのボタンをいきなり外し出したスガタに目を大きく見開いた。上から三つ目辺りまでボタンを外しそのまま胸元を恥じる事なく晒す姿は…何というか男前だ。細くけれど程よい筋肉のついたしなやかな体と白い肌へ所々赤い痕が散らばっているのが露わになる



「『絶対痕は残すな』って昨日言ったよな?あれだけ言ってたのに…これはどういう事だ!!タクト!」



首元を掴み上げ僕に揺さぶりをかけながら大声で怒鳴るスガタの顔は興奮と羞恥のせいか薄く朱に染まっていた。その度ちらつく鎖骨の痕にやっとスガタが怒っている原因に納得する。スガタは体に痕を残される事を酷く嫌がる、理由は本人曰わくどれだけ頑張っても隠せないから。確かに南の島育ちとは思えない程白いスガタの肌に赤い鬱血痕は嫌でも目立つ、毎回口を酸っぱくして言われている事なのだが昨日は意識朦朧としながらその事に釘を刺すスガタの可愛さに負けてちゃんと聞いていなかったらしい



「あー…」



「首筋にまでつけて、っ。もし月曜までに消えなかったらどうするつもりなんだ!月曜は体育だってあるんだぞ!?こんな…人に気付かれるかもしれない箇所に…!」



こんなんじゃあ学校に行けないだろ けれど痕を指でなぞりながら重い溜息を吐くスガタには流石に面白くない。そりゃあこうなったのは僕が悪いのだろうけどそこまで凹まれると幾らなんでも悲しくなる、好きな相手に『自分のものだという印を残したい気持ち』は普段からこらえていてもやっぱり湧き上がってくるのなのだから―



「……僕が悪かったよ、ごめん。でもスガタが好きだから僕のものだって印がつけたかったんだ、それにスガタって肌白いから綺麗に痕がつくし…だから、つい」



「……っ」



ごめんね? もう一度謝った言葉も全部全部本心だ。これで許してもらいたい僕の気持ちを分かって欲しい…だが視線を交じ合わせようとした瞬間僕の体の上から降りて再びベッドに戻ったスガタは何にも言わず此方に背中を向けてしまった。…覗き見えた耳は真っ赤だけれど



「スガ「うるさい、もういい。もういいから…何も喋るな…っ!」」



もう本当に可愛い
周りからはクールだとか言われがちな彼だけど本当はこんなにも可愛いのだ、スガタという僕の恋人は



-----
----
---



スガタの肌って白いから痕つけたくなるよね赤い痕が映えるね、っていう話にちょっと前になったのと某お姉さまともタクスガ書くよと約束したので…こんなのですいませんそして遅くなってごめんなさい\(^o^)/


でも予想以上にタクスガは書きやすかったです。基本リバも美味しく頂ける人間なので普通にタクスガにも萌えてます、タクトは事後スガタにちゃんとパジャマまで着せてたらいいです。スガタにうるさく言われて着せる…要するにヘタレ←


ヘタレ攻め大好きです


.
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -