白インサニティ






※医者×ナース
※スガタ先生変態注意




染み付いた薬品の匂いが鼻についた。真っ白に染め上げられた室内の中で見上げる青は酷く場違いで、ならばあっちからして見ても自分の赤い髪も同じようにこの空間ではやっぱり浮いて見えてるんだろう。着ているものも互いに白の制服。半数以上はやっぱり白でお互いの持つ赤と青だけがやけに目立っている、それは今に始まった事じゃない。けれどこの状況化でより一層強くそれを感じさせられるのはそれだけ僕の神経が張り詰めているという事なんだろう



既に自由を奪われている手首を更に拘束する力に小さく息を飲み込む。普段は治療を手助けする為に使われる包帯の限りなく間違ったその使用方法。彼は今医者として絶対的に間違った事をしている…そう分かっていても伝える事は出来なかった。するりと腿を撫でる手付きに唇を噛み締める、荒く乱れ始めた呼吸を辺りに聞こえないよう出来るだけ薄く繰り返して僕は彼を睨み上げた



「涙目でそんな顔されても全く怖くないんだが。むしろ煽ってる」



「あのさ……自分が何してるか、分かってます、っ?」



「それは仮眠室でタクトを襲ってる、とか?」



普段患者達に向けているその笑顔は相変わらず綺麗だった。陰で散々騒がれるのも分かってしまう、ただ違うのは眼鏡越しに見える金色の眼が笑っていない事。僕を欲してる眼、欲に濡れる眼だ。ずるいと思う、加えてそれを少しも隠そうとはしない態度がずるいと思う。……ほんの一瞬でも流されそうになるじゃないか― 耐えきれず視線を逸らしてそんな想いを無理やり押し殺す。ガラガラと廊下から聞こえる器具を運ぶ音が検診の時間が近い事を伝えてくれる



「分かってるなら、今すぐ止めてくれませんか? 大体今は仕事中で…っ」



「それは別のナース達の話だろう、君は確か数分間から休憩だった筈だ。それを僕が知らないとでも思ったのかな?…まぁどっちにしろ休める時に休んでおかないと体を壊したら大変だ」



ね、タクト ああ一体どの口がそんな事を言ってるんだといっそ大声で皮肉ってやりたくなる。休めと言いながら休ませる気なんて全くない癖に、もしこの状態で本当に休めると思っているのなら病院に行った方がいい…いや此処が病院だからこのまま脳外科医に見せればいいのか。どっちにしろ正気じゃない



「そういう問題じゃ…ぁ、っ!」



瞬間、首筋に走る電気みたいな痛み。耐える為に力強く握ってしまった手を自身の掌で覆い隠しながら首筋に噛みつくその様子はただただ狂気的にしか見えない。そこにいるのは医者であって医者じゃなかったのかもしれない。傷を治療する側の医者が傷を付けている。かかる吐息がくすぐったくて身じろごうとしただけなのにそれさえ許されない



「い…あっ、スガタせんせ…!だ、誰かに見られたら…」



「もし見られたなら見せつけていればいいさ。タクトは何も気にしなくていい、お前は僕だけを見て僕の声だけ聞いてればそれでいいんだから」



周りの事は忘れろ
非情にも選択肢は僕には最初から与えられていなくて。選べるのは強制的に一択だけ。せめて仕事が終わってからどっちかの家で、なんて淡い考えも通じない。『彼が満足するまで誰も部屋には来ませんように』 それを心から願う事しか結局僕には残されていなかったんだ



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スガタ先生は鬼畜変態


色々と失礼致しました。これは酷い。ただナースのタクトに「スガタせんせ」と言わせたかっただけです、本当にすいませんでした…!

他にもナースにはワコ様、医者にはヘッドとかがいると。詳しい設定を練っていきたいとは思いますが私にそれを形にする力が欠けてるので難しいです。こんなものになってしまいましたがフリーですのでご自由にお持ち帰り下さいませ


※フリー期間は終了致しました


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