れた弱肉強食






※一応微裏
※静雄がSっぽい(黒い)
※千景がM(?)っぽい




『…あんま"可愛い事"やってると食っちまうぞ―』



え、俺そんな事やったっけ?



そう口を開く前に反転する世界、ゆっくりとかじゃなくてかなりの速さと重力がのしかかった体は― 落ちた



そのまま床へと思いっきり叩きつけられ感じる衝撃はズキズキとした鋭い痛みに変わって後頭部を走り…ああ痛いこれはかなり痛い、多分俺じゃなかったら軽く頭から血出て気絶してたかもしれないくらいの衝撃だ…俺は静雄に何か恨まれる事でもしたのか。いやしてない、普通に静雄の家に泊まりにきて俺が先に風呂入った後同じように風呂上がりな静雄から何かすげぇいい香りがしたからちょっと…ほんと少し"すり寄った"くらいだ、これは自分でも気持ち悪かったなと自己嫌悪したから絶対に静雄が言う可愛い事なんかじゃないって…そう思いたい




頭に残る痛みを引きずりながら反射的に閉じていたらしい眼を開く。乾ききっていない金髪からポタポタと頬に落ちる雫はやけに冷たい、俺の上で馬乗りになっている静雄の体温がいつもより高いせいなのかもしれなかった




「さっきから煽るような事ばっかしやがって…お前わざとやってんのか? 俺を誘ってんだろ」



「し、してねぇっての!! てか重いからそこ…」




退け、と言い切る前にいきなり口を塞がれ一瞬詰まる息




その隙をついて割って入ってきたそれは何の躊躇いもなく簡単に俺の舌を絡め取り咥内を犯す― ただ荒々しく、それは『啄む』とか『舐める』とかそんな生温いものじゃなく例えるなら…『貪る』って言葉がよく似合う 俺が今まで女の子相手にしてきたようなキスからは程遠い、激しく荒らすだけ荒らす静雄らしいキス……でも俺はそれが嫌いじゃない



「…っ、ぅ…ッ!?」



不意に舌をガリッと噛まれ広がる血の味にやっぱ目を潜めた。そしてその後すぐに離れる唇、一方的に離れられてからも執拗に引いていた糸を断ち切り目の前で不敵な笑みを浮かべる静雄は俺の眼に実に艶やかに映る



「そういうのが煽ってんだよ。キスしただけでんなエロい顔すんな」



静雄によって引きちぎられるボタンが嫌な音をたてた。着ているシャツの中で這いずり回る掌が腹を通り腰を撫で徐々に徐々に下肢へと下げられていくのに高まる熱。ヤバい…何か変な気になってきた。こいつ無理やりその気にさせる気かよ…反則だ、ずりぃ…




「静雄…お前、ずるい」




「ああ? 知るかよそんな事。てかお前、自業自得じゃねぇか…いいから黙って―」





首筋を
舐める
歯をたてる
噛む





笑う笑う嗤う…嘲笑





食うか
食われるか
それは絶対的な
紛れもない





「黙って…俺に食われろ、千景」



濡れた肉強食
(あなたに食べられる力関係)




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