※双連(真っ黒ミケ)




「お前ってほんとに凛々蝶にしか興味ないんだな」



そう言った彼は僕を見て呆れることもなく普段と何も変わらない様子だった。相も変わらず緩く薄っぺらな反応。そしてそんな彼ににこやかな笑みを浮かべる僕も普段と何も変わらない



「僕には凛々蝶様が全てですから。…ああ、でもお兄さまには興味がありますよ?」



それは勿論色んな意味で―



流石の彼も僕のそんな言葉には多少なり驚いたらしい。一瞬ぱちぱちと瞬く新緑色、しかしすぐに力無い微笑みを返して彼は静かにその瞳へ僕の姿を映す。それが妙に大人びた表情で少し気に食わなかった



「…冗談、」


「冗談ではありませんよ。僕は黙っていることはあっても嘘はつきません、特に相手がお兄さまであるなら尚更です」


「おー言うねー、でもそもそもそれが嘘だろ?…お前が俺に興味あるとか有り得ねーよ」



ひらひらと手を振って僕の言葉を完全に否定する彼が何を考えているか僕には分からなかった。掴もうにもなかなか掴めない、仮に掴めたとしても彼は僕の掌からするりと抜け出そうとするのだろう。それこそまるで反物のように…風に攫われてしまえば最後、もう二度と掴むことは出来ない。だからこそ決して攫われないように、逃げられないようにしなければ



「お兄さま、」



柔らかく名前を呼び彼の手首を掴んだまま僕は愛でるようにその頬を撫でる。その瞬間、彼の妙に大人びていた表情が歪んだのを見て優越感を感じた



「どうやら僕はお兄さまにあまり信用されていないみたいですね」


「……狐に騙されるのは嫌だからな」


「ふふ、お兄さまは意地悪でいらっしゃるのですね。なら、直接その体で僕が冗談ではないと分かって頂くしかありませんね」




(捕まえにくいものほど捕まえたい、)





※蜻連(会話文)




「ただいま帰還したぞ、我が肉便器たちよ!!」


「おー蜻蛉じゃん、おかえりー」


「なんだ、今回の出迎えは貴様1人か。なんて薄情な奴ら!まさにドS!!」


「…相変わらずみたいだな。で、今回はどこ行ってたのよ?」


「名古屋だ!天むすを貪りしゃちほこを思う存分視姦してきてやったぞ」


「あ、意外と普通に観光してんのね。いいなぁ、名古屋…羨ましい」


「ふはは、安心しろ!ちゃんと土産は用意してある」


「どうせ毎度のごとくろくでもない土産なんだろ」


「ろくでもなくなんかないぞ、私はいつも貴様ら1人1人のことを考えて土産を厳選している!それに今回の土産はいつもより豪華だ。特に反ノ塚、貴様の土産は特別なのだからな!」


「え、なんで俺だけ特別…なにくれんの?いいもん?」(今回は期待できるかも)


「はっはっは期待しているな、さぁ存分に喜べ!」


「………あの、蜻蛉さん?」


「ん?なんだ?喜びのあまり感極まったか」


「…一応聞くけどこれなに?」


「なにって見て分かるだろう、首輪だ!!」


「いやいやいやそれは分かるよ?分かるけど何で首輪?てか名古屋関係ないし結局ろくでもない土産なんじゃねーか」


「その首輪は特注で作らせたオーダーメイドものだぞ、なかなかに高かったな…ちなみにカルタのものとはお揃いだ」


「絶対金の使いどころ間違ってるって……悪いけどこれ返すわ」


「なんだ、遠慮しているのか。気にすることはない、遠慮せずに使え」


「遠慮してねー。大体使えって言ったって使い道ないじゃん」


「使い道がないなら自分の首に付ければいい。なんなら今から私が付けてやろう!」


「いや、ちょ…!ほんといいからやめ…あ、」



カシャン(首輪がはまった音)



「……」


「おおなかなかよく似合っているではないか!悦いぞ悦いぞー」


「…何が悲しくて首輪なんかつけなきゃならないんだよ。っつーか取れねーじゃん、これ。どうなってんの」


「"オーダーメイド"だと言っただろう。私にしか外せない仕様だ、自分で外すことは出来ん!」


「まじかよ…最悪だな、その仕様…今すぐ外してくれって頼んだら外してくれる?」


「いいだろう、外してやる…と思わせておいて外さない!頼まれても断る!それが私だ!!」


「ですよねー、多分そうだろなと思ってた」


「…うむ、」


「…? どうしたー?」


「いや、実はもっと嫌がるかと思っていたのだが案外まんざらでもないんだな。貴様が本気で抵抗すれば私の力をはねのけるくらい簡単な筈だぞ、反ノ塚。なのにそれをしないということは…つまりはそういうことなんだろうな」


「……お前って時々ほんと痛いとこついてくるよね」


「自らの家畜のことはよく知っておかなければいけないからな。よし、今度は鞭で縛ってやろう!何縛りだ?何縛りが良い?いっそがんじがらめにされたいか!!」


「あーはいはい、もういいから黙っていいよ」



(心の底から惜しい人、)



((…あんた、なにきもいもの見せつけてくれてんのよ。男が首輪付けてるとかほんときもいんだけど))

((レンレン似合ってるよー犬みたい☆))

((…似合ってても嬉しくねーな、あと野ばらちゃん酷すぎ。俺のSSなんだからちょっとくらい助けてくれても))

((反ノ塚とお揃い…))

((べ、別にカルタとお揃いなんて…う、羨ましくないんだからなぁああ!!))

((あぁ凛々蝶様、僕にも貴女の犬である証を…))

((しっかりしろ、御狐神君!!あれは普通じゃない!異常だ!!))




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多分双連は爛れた関係に発展する寸前、双(→)←連っていう感じ。蜻連については完全にネタ、蜻さま書くの楽しい。余談だけど反カルの組み合わせめっさ可愛い



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