※残連残
※どこまでも雰囲気話




時々、残夏は不安定になる時がある。そういう時の残夏は誰かと居るときはいつも通り笑って振る舞っているけど、ふとした瞬間にどこか悲しそうな顔をする。口元は笑ってるのに整った眉と銀色の眼はちょっとだけ下がった、そんな情けない顔。多分残夏本人はそのことに自分でも気付いてないふりをしているんだろうし、きっと周りにも気付いて欲しくないんだろうと思う。他人のことは心配してお節介を焼くくせに、自分のことでは心配を掛けたくないと思う面倒くさい奴だから。少しくらい心配掛けたっていいのに…それをしない残夏が俺にはなんだかもどかしかった



「今日はえらく甘えたさんだねー?」



用事があると部屋に呼びよせてすぐにその細い体を抱き締めると残夏は笑いながらそうからかってくる。肩幅も腰回りも全然俺より華奢で、いつか折れちまうんじゃないかと不安になった



「んー、そう?いつも通りじゃね?」


「えーレンレンめったに自分から部屋に呼んでくれないじゃん。いっつもレンレンの部屋に行く時はボクの押しかけだし…大体こんな風にいきなりハグされるのなんて初めてだよ」


「…そうだっけ?まぁこういうことしたい時もあんのよ、俺にもさ」



何かあったのか?なんてのは気になってても聞かない、まず聞いても教えてくれないのは分かってる。にっこりと笑って、曖昧に誤魔化されて、それで終わり。残夏は俺のことをその気になれば何でも知ることが出来るのに俺は残夏が言ってくれなければ何も分からない…その不平等さがすごく煩わしくて柄にもなくイライラした。ぎゅっと抱き締める力を更に強くする、一瞬狭まった気がした銀色の眼。それまで黙っていた残夏が口を開く



「レンレン、」


「なに?」


「ごめんね」


「…なんで謝んだよ、別に謝るようなことしてないだろ」


「…うん、そうだね。…やっぱりレンレンと一緒にいると落ち着くなぁ」



お前みたいに考えてることが視れたらいいのに。けど、そんなのはいくら望んだって無理だから…いつか話してくれればいいと思う。とりあえず今は俺といると落ち着くって言ってくれたお前を少しでも支えることが出来たら、それでいい



(面倒くさくて寂しがりなうさぎの話)



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時々過去のこととかこれからのこととか色々考えて寂しくなったり悲しくなる残夏とそれを拭ってあげたいけど何にも言ってくれない残夏が煩わしい反ノ塚を書きたかったけど恐ろしい雰囲気話になった。抱き締められると1日の内の1/3のストレスが軽減されるらしい



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