※男日
※副会




天気予報がいうには今日は今年一番の寒さらしかった、ただここのところ毎日今年一番寒いと言っているような気がするから本当にそうなのかどうかは怪しい。けれど少なくとも今日が寒いのは確かだった




悠々と生徒会室の椅子に座りながら空から降ってくる雪を会長はぼんやりと眺める。真っ白く冷たいそれは少しの間宙を漂ったあと同じように地面を染める白に混ざっていった。この辺りは冬でもめったに雪なんて降らないし降ったとしてもせいぜい申し訳程度だからここまで積もるくらい降るのも珍しい。そのせいかさっき外の天気を確認する為に開けたままだった窓から吹いてくる風もいつもより冷たく感じられる、冬だなぁと誰ともなしに呟く



「窓、開けたままだと風邪引きますよ」



ぴゅうぴゅうと北風の音と一緒に聞こえてきた聞き慣れた低い声に会長は椅子を半回転させた。案の定そこにいたのはやっぱり見慣れた老け顔、ぱっと見自分より幾らも年上に見える17歳の男子高校生―― 副会長だった。丁寧に扉を閉める副会長に会長は頬杖をつく



「これ位大丈夫だよ。それよりいつから降ってるんだろうなぁ、この雪は」



「さぁ気付いた時にはもう降ってましたからねぇ…クラスの奴らが騒いでましたよ、雪合戦がどうのこうのって」



「ふーん、元気な奴らだよ。この寒いのに雪の中雪合戦なんて俺には到底できん!まるで犬だな犬」



「まぁ会長はどっちかといえば犬より猫みたいですもんねぇ」



茶、淹れますけど飲みます? そう薄く笑って副会長はカップを取り出しながら会長に尋ねた。2つ返事で返事を返すと それから早く窓閉めちゃってくださいよ と続けられ渋々会長は言われた通り窓を閉める。吹き付けていた冷たい風が止みストーブの暖かい熱が次第に部屋を暖めていく。ちらりと副会長の方に目を向けてみると慣れた手付きで2人分のカップに湯を注いでいた



「これ飲みながらでいいですから溜まってる仕事終わらしてくださいね」



「えーそれめんどい、俺の代わりにやっといてよ副会長」



「駄目にきまってんでしょ!いい加減あんたが真面目にやってくれないとこっちも困ってるんですから」



「へーへー!わぁりましたよーやりゃあいいんでしょ、やりゃあ……なぁ副会長」



「? なんです」



「せっかくだし今日は手でも繋いで帰るか。そうだな、どうせなら所謂恋人繋ぎってやつで」



仕事の話を適当に流してそんなからかいを入れた瞬間、カチャン!なんてなんとも間抜けな音が聞こえてくるんだからもう心底愉快で仕方がなかった。ぱちぱちと目を瞬かせて呆気に取られてる副会長の顔ににやりと笑みを零す



「…………会長、あんた熱でもあるんじゃないですか?」



「熱って…失礼な奴だな。あーもちろん冗談だよ冗談、まぁお前がどうしてもと言うならオプションにりんごちゃんからスカートでも借りて女子高生(笑)になってやっても構わんぜ!!」



「…いや…やっぱり頭沸いてんじゃないですか?会長」



「…ちょっ、ま…そこまで言うか?」



「傷ついたならすいません。あ…茶淹れ終わった、どうぞ」



それを合図に強制的に話を終わらせた副会長にわざとらしくむくれたふりをして淹れ立ての紅茶を一口飲んだ。勿論むくれる仕草も恋人繋ぎうんぬんも全部全部わざとだから流されたって傷つきもしないし苦しくもなんともない、りんごちゃんに殴られた時の方が何倍だって痛い。…けれど最後に付け加えられた一言に柄にもなく少し動揺したのは―― 多少なり期待した、からなのかもしれない(表面上は笑ってたけど)




「…まぁ俺は別に会長がそういうならなんでも構わないんですけどね、理由なんてなんでも」




「………お前の方が冗談なのか分かんねぇよ」









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男子高校生の日常から副会長×会長



自由で喰えなくて常に副会長を振り回してるように見えるけど実は案外そうでもなかったりする会長と会長の世話焼きつつ全部分かってる副会長が好きです、というか副会が好き。会長とっても可愛い!副会増えろっ



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