▼キスしないと出られない部屋




"島崎亮様 みょうじおなまえ様
御二方がキスをするまでこの部屋から出ることはできません。また、この条件をみょうじ様から島崎様に伝えること、この室内で島崎様に対して嘘を吐くこと、これらの制限を島崎様に伝えることを禁じます。"


「……」


おなまえは手の中の紙切れを舌打ちせんばかりの形相で睨みつけた。
そんな気配を察知して、扉の前にいた島崎がおなまえの方を振り返る。


「みょうじ、どうしたんです?何か書いてありました?」
「あ…んとね……」


"もし禁を犯した場合、二度とこの部屋から出ることは出来ません"。

注意書きの記末を読んで、おなまえは「…特定の条件を満たさないと出られないって、書いてあるよ」と内容を伏せて伝えた。


「…ということは、その"特定の条件"が満たされるかどうか、私たちは監視されている上に完全に閉じ込められてるってことになるんですかね」


能力で破壊しようとしても何故か発動しない状況に、島崎は余程の術者による攻撃だと想定する。
しかし、もし攻撃であるなら二人を閉じ込めるだけの空間に態々解放条件を用意するだろうかと疑問にも思った。


「みょうじはどう思いますか?」


島崎から質問を投げられておなまえの肩がビクリと跳ねる。
緊張が走った様子を察し一層訝しむ様に島崎の眉間に皺が寄り、おなまえは言葉を探した。


「んー……出口そこしかなさそうだし、壁も扉も壊せないなら…閉じ込められてるんだろうね」
「私は敵の攻撃なのでは、と思っているんですが…」
「…そう…なのかな…」


だとしたら空間を操作する能力…であろうが、攻撃するつもりならこんな"条件"を掲示するだろうかとおなまえも苦い表情を浮かべた。


「もし攻撃だとしたら、何で別室にそれぞれいたはずの私たちが一緒に閉じ込められてるのか謎なんだけど…」
「……確かに」


そう返事をしつつも未だ警戒を解く素振りのない島崎を後目に、おなまえは部屋を見回す。

広めのワンルーム。
家具家電は必要最低限には暮らせそうなものが置かれている。


「…とりあえず、部屋見るね。ワンルームなんだけど…家財道具は一通りありそうに見える」
「…ワンルームですか…」


目の見えない島崎に代わって内装を伝えていく。
窓は無く、出口と思しき扉以外にあるドアは浴室とトイレのみ。
部屋にあるタンスの中には何故か着替えがあり、キッチンには食材と調理器具が用意されていて一先ずのところ餓死はしなさそうだ。

確認しながら気付いたがタンスやトイレ、キッチンの各所に点字が打たれており「島崎への配慮…?」と一応島崎にチェックして貰う。
冷蔵庫の取手付近の点字をなぞった後、島崎は中を開けて近くにあった人参を手に取った。


「…パッケージにまでありますね」


その言葉に誘われて飲料や調味料を確認すると、どれもこれも外装にきっちりと点字が刻まれている。


「……攻撃…かな?」
「さあ…愉快犯、という可能性もありますよ」


「毒物が混入されてるかもしれませんしね」と島崎は冷蔵庫を閉じた。
念の為扉を壊せそうな工具のようなものがないか探してみたが、生憎とそういった類のものはなさそうだとセラミック製の包丁を見つめておなまえは思った。


「さて、どうしましょうね。その"特定の条件"とやらを探った方が外からの助けを待つより早そうなら、一度状況を整理してみましょうか」


ポス、とソファーに腰掛けて島崎は自分の膝に肘を着きこめかみを人差し指でトントンと一定のリズムで打つ。
余裕そうな声音とは裏腹に、その表情には笑顔がない。
おなまえも同じソファーの端に腰掛けて考えた。

この部屋に閉じ込められる前、おなまえは割り当てられた自室にいた。
前日から任務に出ていて、アジトに戻ったのは日付も変わり日も高く昇った頃。
食事を摂るには中途半端な時間だと判断して仮眠を取ろうと横になっていた。
次に目が覚めたらこの部屋に立っていて、目の前には島崎がいた。
ほとんど同じタイミングで互いに意識がハッキリしたようで、驚いて声を上げたおなまえに島崎が気が付き冒頭に至る。


「…共通してるのは、二人とも自室で寝てたってことですか」
「も…もしかしてコレ夢だったりしないかな〜…なんててふぇっ!」
「あ。痛いですか?じゃあ夢じゃないですね」
「ひふんのほっふぇふへっへ!」
「夢じゃないとなると、いよいよどうしましょうねえ」


ぐにっと引っ張られた頬から手が離れ、また島崎がトントンと人差し指でリズムを刻む。
「私に謝罪の言葉は無いの」と責めるように低く言えば、キョトンと島崎が首を傾げた。


「確かめてあげたんですから、お礼の言葉が貰えると思ってました」
「何があげたよ!腫れたらどうするのよ、曲がり形にも女の顔なのに」
「ああ…腐ってもそうでしたね。まあ良いじゃないですか。他に見る人もいないですし。私、腫れて変でも気にしませんよ」
「君は見えないからね?でも気にするべきだよ、島崎が原因で腫れてる場合はさ」


「冷やすもの持ってくる」とおなまえが席を離れる。
遠のいていく気配に島崎は「いっそ醜悪であればいいのに」と言いかけた言葉を飲み込んだ。

そうすれば、他の誰かが彼女に恋慕を寄せることもない。
彼女の容姿を褒めそやすことの出来ない自分でも、同じ場所にいることが許される。そう思える。

しかし仮に彼女が醜女であろうが、島崎を側に許すか否かはおなまえが選び決めることだ。
独り善がりだな、と島崎は考えを振り払うように首を振った。


「はぁ…」


溜息を吐いて首を横に振る島崎の後ろ姿を、おなまえはキッチンから見ていた。
その様子を真剣に脱出方法を考えている姿と捉えたおなまえは氷嚢を頬に当てながら考える。

先程のように会えば互いに憎まれ口を言い合う仲。
故に告げることが憚られて秘めたままの想いを抱いたまま密室に二人きりというこの状況。
あの紙切れには私から条件を教えたり嘘を言ってはいけないとはあるが、脱出する為にはただ"キス"をするとだけ記されている。
どちらからだとか、どこにだとか限定はされていない。
そんなにこの部屋から早く脱出したいのなら、一時の恥など捨ててさっさとカマしてやろう。

そう腹を括っておなまえは氷嚢を置き、未だジンジンと鈍く痛む頬を軽く叩いて喝を入れた。


--私と二人きりなのが嫌なのかな…とか、思わない。私だってずっと出られないの、困るし。利害が一致してるから。…出る為とは言え島崎にキスできるんだから、寧ろラッキーじゃん?


チクリと痛んだ胸にそう言い聞かせると、緊張で抓られていない方の頬まで熱を持ってくる。
でも今、島崎は先を読む能力を使えない。
隙をついて頬に軽くするだけでだってきっと扉は開く。そのはず。

そう思いながら静かに島崎に忍び寄る。
長い足を組んで考え込んでいる様子の島崎が座っているソファーの後ろに回り息を殺して身を寄せた。


「あの」
「!」
「私の顔に何か付いてますか?」


不意に声が上がっておなまえは咄嗟にソファーから離れる。
上擦りそうな声を努めて落ち着いた風に装って口を開いた。


「いや?いつも通り」
「そうですか。…条件のヒントでも私の顔に見つけたのかと思いましたよ」
「寝てるのかなーって思って?目細いから〜」
「こんな所でおいそれと寝られる訳ないでしょう…」
「てか気配消してたのに何でわかったの…怖…」
「気配がなくても匂いでわかりますよ」


島崎の言葉にスンスンと自分の腕や襟元を嗅いでみる。
しかし香るのは衣類用洗剤のものだけで「私体臭キツイってこと?」とショックを隠せない声で問えば「いや」と否定される。
それに安堵するのも束の間


「みょうじだなって匂いです」
「…わかんない…臭いって言ってる?」
「いや、って言いましたよ。…それより…」


ポンと島崎が隣に手を置き顎でおなまえに座るよう示した。
その通りに回り込んで腰掛けるとヒヤリとするような声のトーンで島崎が問い掛けてくる。


「みょうじ。貴女何か見つけていませんか?」
「何か…?」


"島崎に対して嘘を吐いてはいけない"。
"禁を破れば二度と出られない"。
おなまえの脳裏にその二つが影を落とした。


「例えば…私にはわからないですけど、何か条件を明示するヒントがあるもの、とか」
「…見た」
「…やっぱり見つけてたんですか。意識が他にある感じは何となくわかったんですが」


「点字なしで書かれてると、私にはわからないですからねえ」と言うと島崎はおなまえの言葉を待つように沈黙する。
しかし、その条件をおなまえが伝えることは許されていない。


「…言ってくれないんですか?条件」
「うん」
「それは……みょうじが此処から出たくないから言わないんです?」
「でっ…うー……言えないから言わない、です」
「成程」


正直言うと「もう少しくらい二人っきりでいてもいいんじゃないかな」と生温い考えが微塵もないとは言えない。
バスタブの水足首分くらいはそう思っている。
しかし二度と出られなくなってしまうのも困るので、慎重に言葉を選んでいると「さっきのみょうじの行動、意味があることなんですよね?」と更に畳みかけて問われた。
「ある」と答えれば条件を伝えていることになりそうだし、「ない」と答えれば嘘になる。
おなまえは黙秘を選び黙った。


「…ほお」
「……」


じいっと顔を覗き込むように島崎が屈んでおなまえを窺う。
おなまえはぎょっとするが即座に顔を引き締めようと口を引き結んだ。
今島崎と距離が近いのは逆にチャンス。


--今パッとやってサッと出よう…!


そろりと顔を寄せようとすると、突然島崎に肩を押されソファーの背凭れに押さえつけられる。


「へ…し、島…」
「みょうじ。それは、どういうつもりです?」


至近距離で考えの読めない深淵のような瞳がおなまえを捕らえた。
「出る為」と答えるのはきっと直接伝えてしまうようなものだ。
ぐっ、と息を呑んでおなまえは意を決した。


「…した…かったから…」
「……本気ですか…?」
「本気、だけど」
「………」


ピクリとおなまえの肩を掴んでいる指が震えて、推し量るような島崎の声がする。
おなまえは自分の言葉に今にも胸から心臓が飛び出そうな程強く早鐘を打つ鼓動がどうか島崎に伝わらないようにと、目を閉じて島崎の表情が見えないようにした。
何とか喉を絞るように言葉を吐き出せば、沈黙が肌を指すようで俯いた。
肩に置かれた島崎の手におなまえの髪が掛かる。


--どうしよう…も、もうコレ好きって言ってるようなもん…それか男と密室で二人きりと見るや否や迫る脳内真っピンク女のどっちかだよ…


一度ならず二度までも島崎に阻まれたことでおなまえの心には羞恥心が嵐を起こしている。


「し…島崎、離して……謝るから」
「謝る?」
「断りなくあんなことしたから。困らせてゴメン」
「……」
「ゴメンついでにひとつ提案したい…んだけど」
「…聞きましょうか」


肩の手をそのままに促され、おなまえは緊張の面持ちを解けない。
島崎の顔色を窺ってみるも飄々とした様が形を潜めていて、思考が読めなかった。


「この、閉じ込められてる部屋の中で何があっても、脱出できたらサッパリ忘れるってお互い約束しませんか」
「…それ、"仮に殺し合いしても恨みっこナシで"って極端な話そう言ってます?」
「殺し合いはしたくないけど。ってか無理だよ、能力使えないし使えても勝ち目無いじゃん」
「例え話ですよ。それに、能力が無ければ私は目が見えないですし、万が一ってことがあるかもしれないじゃないですか」
「こんな風に押さえられてたら見えてなくても意味なくない?」


「まあ、それもそうか」とようやく島崎が普段のような笑みを浮かべて、ほんの僅かにおなまえの気が緩む。


「でも…そうですね、してもいいですよ。約束」
「OK。じゃあ……ひ、ぅ!」


するりと島崎の右手がおなまえの服の中に滑り込み、咄嗟におなまえは体を丸めようと身じろいだ。
しかし前にいる島崎の体が邪魔で叶わずにいると、その手は皮膚の感触を確かめるように指先を這わせながらおなまえの背中に移動して下着のホックを外す。
胸部の圧迫感が解けると同時にまた鼓動が早く脈打って顔の熱が上がっていく。


「謝るって言いましたっけ。別に謝らなくていいですよ」
「ちょっ……え、島崎さん?」
「ちょうど困ってたんです。お互い忘れるなら、手伝ってくれますよね?」


「此処、ベッドはありますか?」と耳元に口を寄せられ囁かれる。
ピク、とその声に肩を震わせると、抱き上げられて浮遊感に目の前の島崎にしがみついた。


「おなまえ。教えて下さい」
「ぅ……足元、テーブルあるから2歩くらい左行って」


顔のすぐ横でおなまえが島崎に指示を出していく。
その声がか細くていつもの憎まれ口とはまた違う一面に島崎は笑みを深めた。


---


「相手…困って、なくない…?」
「…それはまた、何故です?」


互いに忘れると約束をしているのに、余りにも丁寧に触れてくる島崎の愛撫におなまえは息の合間に問うた。
こういった行為は苦手で身を強張らせるおなまえをゆっくりと解いていく指先の動きひとつひとつに翻弄されるようで、おなまえは浮ついた感覚の中縋るように掴んだ島崎の腕に爪を立てる。


「困ってる人の触り方じゃ、ない…っあ、」
「本当にそんなことないですよ…堪能してるだけです」
「何…、んっは…あぁっ!」


一糸纏わぬ姿にされて、胸の先に甘く歯を立てられる。
痺れるような快感が思考能力を奪っていって、おなまえが嬌声を上げると中に埋められた指が襞を探ってより色が増した。
鼻にかかった声で名前を呼ばれる度に胸に広がる充足感にクスリと笑って胸元に花弁を散らす。
ふやけそうなくらいの時間を掛けた秘所は十分に濡れ、島崎の指に吸い付くように動く。

時間をかける程蕩けていくおなまえの声。
その耳触りが良くてつい時間を忘れてしまっていた。


「見れないのが残念ですねぇ…」
「…見ないで良いぃ…」
「フッ、いつもこうなら可愛げもあるのに」
「どうせ…いつもは可愛くないわよ…っ」


おなまえの声が震えたのに気が付いて頬に触れると、濡れた感覚に口を寄せる。
舐めとった先から溢れた涙がまた落ちて来て、その目元に口付けた。


「ジョークですよ。本気じゃありません」
「普段から思ってなきゃそんな言葉でないでしょ…」
「調子狂うなって思って言っただけです。…あのね、本気で可愛くないと思ってる相手にこうなる訳ないでしょう」
「…っ!」


固く反り返った自身をおなまえの秘部に押し当てると、その熱におなまえが息を呑む。


「おなまえの声と触れてるだけでこうなんですよ?目まで見えてたらと思うとこんなに興奮してる自分が末恐ろしくて軽口も言いたくなりません?」
「ひ…ぁっ、わ…かったから!そこ…擦らないで…ぇっ」


入口から溢れる愛液を纏わつかせる様に擦り付けると肉芯を押されて膝が震えた。
哀願するような声にゾクリと島崎の体が耳から痺れるような感覚を覚える。


「意外と煽り上手なんですね、おなまえ」
「余計…っ、うあ…はぁ、」


グッと腰を掴まれて島崎の自身が挿入されていく。
異物感に息を詰めようとすると苦しそうな島崎の声が「息、吐いて」と告げて素直に従う。
絶対痛いと覚悟していたのに、時間をかけて慣らされていたのと慎重に押し進められるお陰で思ったほどの負担なく根元まで埋まった結合部を見て「夢見たい…」と息の合間に呟いた。


「…寝惚けてるんです?」
「違…島崎とこう、なれる…なんて……」
「……」


再びおなまえの声が揺らいで、「また泣いてるんですか」と言いながら島崎は胸が浮つく感覚に脈を早める。
宥めるようにおなまえの名を呼び目尻から伝う雫を指先で拭うと中が締まった。


「…おなまえ」


今度は窘めるような声音で呼ぶと小さくおなまえが呻く。


「ごめ…勝手にぃ…」
「……優しくしたかったんですけど、ね…っ」
「んあっ!」


きゅうっと捕らえようとする肉壺から自身を引き抜き叩きつけるように深くまで捩じ込むと、おなまえが喉を反らして律動に耐える。


「そっちが煽ったんですからね」
「は、…やぁっあ、あぁ!島、崎ぃ…」


激しい抽挿の中必死に与えられる快感を受け止める。
眩む視界の中で汗ばみながら眉根を寄せ名を呼ぶ島崎に応えるように、おなまえは島崎の体に腕を回ししがみついた。


---


暗澹とした意識が徐々に明確になっておなまえは目を覚ました。
手を付き上体を起こすとゴーグルのようなものがポロリと膝の上に転がり落ちて来た。


「……?」


周囲を見回してもそこはいつも通り自分が過ごしている自室で、他に人の姿はない。
何だコレ、と膝の上のゴーグルを持ち上げ、掛けないけれども目の高さまで持ってきて中を覗き込んでみる。
しかしそこには"CLEAR"の文字だけが浮き上がっていて、その他には何の映像も映し出されていない。


「…羽鳥に聞いてみたらわかるかな…」
「ああソレ、返しておきましょうか」


突然すぐ隣から声が聞こえておなまえは咄嗟にバリアを張ったが、即座にバリア内に転移してきたそれが島崎だと気が付いて解いた。


「ビッ!…クリするでしょうが、急に来るのやめてよ。人の部屋だよ此処」
「いつの間にか私にもコレ付けられてたんです。羽鳥君のイタズラだったみたいで」


「彼、結構やるんですねぇ〜」と言いながらおなまえの持っていたゴーグルを回収してプラプラと揺らす。
それを取り戻して「いいよ」とおなまえは返した。


「人の部屋勝手に入るなとか、悪趣味なイタズラするなとか、羽鳥には言いたいこと山ほどあるから自分で返してくる」


「あと島崎もだから。早く部屋出てよ」とつっけんどんに言えば島崎は「つれないですねえ」と勿体ぶった振る舞いで立ち上がる。


「私たちの仲じゃないですか、もう少し許してくださいよおなまえ」
「う……な…何の事よ。悪いけど覚えてないです」


名を呼ぶ声のトーンが先程の情事を思い出させてついピクリと反応してしまうが、何とか気丈に言い返すと扉に向かうおなまえの腕が背後から掴まれた。


「じゃあ思い出させてあげましょうか。また」
「…忘れるって、約束したじゃない」


振り払おうと腕を引く力より島崎が押し留める力の方が強くて、仕方なく掴まれたままそう言うと島崎は首を傾げる。


「約束?何の事ですかねえ?」
「は…話が違うわよ!?」
「してもいい、とは言いましたが、するなんて一言も言ってないですよ」


焦るおなまえの様子を昏い瞳に映し、ベッドの上に押し倒しながら島崎は笑った。


「それじゃあ、復習しましょうか」




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04.11/キスしないと出られない部屋でそのまま致す両片想い



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