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「#甘々」のBL小説を読む
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生徒会室を出て、人目に触れるところに来てから、ずっと注目が集まっていることを感じる。それは食堂に来た今も変わらない。福井くん効果はすごいらしい。
背の高い会長と福井くんに挟まれるようにして歩いていたので、あまり視線を気にせずに済んだのが幸いだった。

「侑真はなに食べるー?」
「唐揚げ定食がいいっす」
「おお、がっつりだなー」
「住田先輩は?」
「んー、俺はオムレツにしようかな!」

席についてほっと一息ついていたが、住田と福井くんが打ち解けていることに気がついて、愕然とする。住田なんて、いつの間に福井くんを下の名前で呼ぶようになったのだ。これがコミュニケーション能力が平均以上にある人同士の歩み寄りの速度か。俺には到底真似できそうにない。
しかし仲良くはしたい。福井くんが嫌そうではなかったら、俺も頑張って少しずつ話しかけていこうと決める。大丈夫だ、福井くんが気が長く優しいことは、二人で話していたときにもう分かっている。

「京ー、ほら、ご飯決めるよ」
「あ、はい。ありがとうございます、副会長」
「どういたしまして」
タッチパネルを受け取る。会長が横から顔を出して、「カレー食いてえ」と言った。

「カレー……、俺もカレーがいいな」

てしてしと画面をタップして、カレーのページを開く。カレーだけでそれなりに種類があって、少し迷う。

「会長は、何カレーですか」
「カツカレーだな。お前は?」
「俺は……」

会長はどれにするか決まっていたらしい。問い返されて、むむと考える。ご飯を食べるのは好きだが、決めるのはいつも少し時間がかかる。

「じゃあ、ポークカレー」

ようやく決めて顔を上げる。と、福井くんがこちらを見ていて、内心びくっとしてしまった。優柔不断だと思われたのだろうか。いや、実際にその通りなのだから思われるのは当然なのだが。
真っ直ぐな視線を受け止めきれず、疑問符を浮かべながらちらちらと見返していると、堪えきれなかったように吹き出された。会長が不思議そうに彼を見る。

「どうした、福井」
「や、すみません。なんか、京先輩って可愛いすよね。シマリスみてえ」
「し、シマリス……?」
シマリスとは一体どんな動物だっただろうかと思い浮かべる。俺はげっ歯類ぽいのか。思わずそっと口元に手をやる。

「ぱっと見はしゃきっとした感じなのに、そのギャップは狡いって」

非難されているのかと思ったが、浮かべているのが優しい笑顔だから、もしかすると彼は褒めてくれているのだろうか。分からない。

「京ちゃんが可愛いっていうのは生徒会の常識だよ、侑真」
「なんか誇らしげっすね、住田先輩」
「俺と京ちゃんは仲良しだからね〜!」

ねっ? と同意を求められる。首肯すれば、住田は福井くんに向かってニマニマと笑いながら胸を張った。俺と仲がいいことのどこに、そのように誇る部分があるのだろう。変な奴だ。







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