「ドッタチンそこのアベミハ取って…あ、それ!そのユニホームを脱がしあってるの」
「だからドタチンって言うな」




たしなめながらもその本を手渡す。

ドタチンありがとうと、またもや人を変なあだ名て呼ぶ女、狩沢絵理華。この二次元電波腐女子は俺の彼女だったりする。
そして、今は俺の部屋で二人きり。だが、甘い雰囲気なんてゼロ。あるのは大量のライトノベルズと男同士がウフフないかがわしい本。




それにしても、付き合ってるのだから、もう少し恋人らしい雰囲気あってもいいじゃないか?
せめて、彼氏の前で18禁BL本を読むのはやめてくれ。別に偏見を持っているわけではない。しかし、男性の前で堂々と読むものでもない。そうだろう?




「読み終わったー!やっぱり王道カプは最高だよ。うん、これぞ萌え!」



最高級の笑顔の狩沢。
正直めちゃくちゃ可愛い。
一緒に出た科白はともかく、笑顔の狩沢はとても可愛いかった。




「やっぱり三次元でもさ、ボーイズはボーイズでラブってればいいんだよね。ドタチンはどんなシチュエーションが萌える?シズちゃんと路地裏でニャンニャンしたい?それとも、新宿の仕事場でイザイザと!?もう、ろっちーと埼玉ラブラブデートに行ってらっしゃーい!」


「お願いだ狩沢。少しだまれ」



妄想するのは構わない。狩沢の自由だ。だが、それに俺を交えるのはやめてほしい。




「そっか!ドタチンに受けがいいか攻めがいいか聞いてなかったね!どっちがいい?誰とどんなことしたい!?」



うわぁ、目がキラキラだ…
表情もこれほどにないほどイキイキしてやがる。
その失礼な質問全くそぐわない。
俺の腕を揺すって質問の答えをせびってくる。これはもう答えるしかないのか?恥ずかしいが答えければならないのか?




「目の前の二次元電波腐女子と自宅でまったりデートがしたい。」





は?





間抜けな声をだしたかと思えばみるみるうちに赤くなり照れまくる狩沢。したり顔の俺。




「ドタチンー反則だよ…恥ずかし固めだよー乙女モード全開だよ」




「よくわからん表現だが、俺の希望は叶うのか?」


「私とドタチンのノーマルラブなんて萌えないと思うけど、ドタチンの要望なら叶えてあげるよ」


「萌えとかそんなこと言うな…ま、そういうところも含めて好きだ絵理華」

「ありがとう。私も大好き!京平」








もう一すくいの好きをあげる





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