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あとがき - 1



まず、ここまでお付き合いくださった皆さまにお礼申し上げます。
ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

どうにか完結まで迎えることができましたが、その道のりは非常に長かったと感じております。
自分の執筆の遅さもありますが、まぁそんな反省文は心の奥に留めておきたいと思います。
途中、サイトを閉鎖し、みっともなくまた開設してからの終わりでしたが、皆さまにはご迷惑ばかりお掛けしていましたね。どうぞ、遠慮なく罵ってくださいませ笑

さて、とら×とらですが。
はじまりは「不良ものが書きたい、もちろん受けは平凡で」という欲望から始まりました。
それが当時ハマっていました兄弟物が絡み、禁断愛というスパイスだけでは物足りず、暴力という設定をブチ込み、最終的にはお粥という食べ物までつけ込む状態。
見切り発車もいいところでしたが、「男同士の葛藤」「兄弟である葛藤」そういう問題よりも、人と人との繋がりを重視し、自然と芽生える愛情を描いていきたいと目指したつもりです。

各お話に対し、もちろん様々な声はありました。
難しいテーマを拙い文章で誤魔化すたびに、厳しい指摘もありました。
完結した今、私は皆さまに「これでどうだ!」と胸を張ることはやっぱりできません笑
矛盾や蛇足も多く、シンプルに二人だけの愛情を描くにはまとまりのないお話かもしれませんね。

けれど、私はこの小説を通してなにかを伝えられたなら、それで十分だと思っています。
好きも嫌いも、どちらでも構わないのです。

登場人物のすべてを格好良く書いてきたつもりはありません。
多分、誰しも悩んで弱くなるのは当然のことで、それを乗り越えることができたらなんだか、今日一日くらいは頑張れる気がしませんか?
そんな軽い気持ちを抱いて貰えたのなら、それだけで完結まで走れたことに「よっしゃー!」とガッツポーズしてしまうのです笑

本当は登場人物たちのことを色々書こうと思ったのですが、それは作品の中で語った分で十分だと感じています。
どうして、なんで。そんな疑問も多いかと思いますが、ただ言えることは、とら×とらは朝日向小虎という一人の少年のお話である、ということだけです。

ライオンは群れで生活します。トラは一人で生き抜きます。

けれど、朝日向小虎という少年が選んだ道は、一人ぼっちではなかった。そんなお話なのです。

まぁ、物語の解釈なんてものは人によって違うものでしょう。このお話をどう捉えるかはもちろん、皆さまのお好きなようにお受け取りください。
つい空いてしまった時間を過ごすような気持ちで、この作品に触れて頂ければ幸いです。

改めて、ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました。


篠瀬(2015/11/21)




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