突然、玲央が中から指が引き抜いた。と、同時に腕を掴まれうつ伏せにされる。急なことで驚く俺の背中に吸い付いた玲央は、恐ろしく熱い怒張を尻に押し付けてきた。その間接的な触れ合いでも分かるほどに、いきり立つ大きなそれは興奮に染まり、俺を求めていた。
「あっ、やぁっ、んっあっ」
俺の背骨や肩甲骨をたどるように皮膚を舐めていた唇が肩のつけ根を強く吸い上げる。ちくりと小さな痛みにシーツを握りしめた瞬間、獣は容赦なくそこに噛みついた。みち、と牙がくい込む音がした気がして、思わず歯を食いしばると今度は怒張が尻の割れ目をなんども行き来して、そのたび玲央の先走りで自分の体が濡らされていくのが分かった。
先ほどまで弄られていた穴がひくひくと細かに震える。そこを狙うように滑る怒張に少なからず恐怖を感じていると、ようやっと口を離した玲央が身を起こす。
「……れお……?」
不思議に思って見上げると、肩越しに広がるその光景に目を瞠る。
そんな俺と目が合った瞬間、玲央は俺の尻を強く掴んで揉みしだいた。
「んっ、やっ、れおっ」
「はっ……はぁっ、」
玲央は、俺を見下ろしながら自身で扱いていた。
腹につくくらい高ぶった、血管の浮き立つそれは想像以上に大きく、同じ男性器とは思えないほど物恐ろしい。長く、太い怒張が先走りに濡れながら上下に扱かれるさまは、ただただ淫らだった。
眉根を寄せ、獲物を捕らえた劇しい瞳から目が逸らせなかった。いつものような優しい触れ合いなどではない。けれどその強引さが、なぜか堪らなく嬉しかった。
少し開いた唇から覗く、歯を食いしばるその口内を味わいたい。ゆっくり身を起こそうとすれば、それに気がついた獣は尻を揉みしだきながら、器用にも親指で穴を刺激する。
「んっ! あっ、あぁ……っ、んぅっ!?」
「っ、は……っ」
穴の刺激で腕から力が抜けそうになる俺の顎を掴んだ獣が無遠慮に唇に喰らいつく。俺の唾液を奪うような口内を暴いていく舌に眩暈がして、瞳に溜まった涙が頬を伝った。それが口の端から垂れ落ちる唾液と首筋で交ざりあう感触がして、ぞくりと腰が跳ね上がる。
「むっ、んぁっ、はっあっ」
「……っ、」
俺の口内にくぐもった息を吹きつけながら、獣は熱く勢いのある大量の精液を俺の背中にぶちまけた。顎から首筋を這う五指が汗ばんでいる。肩で息をする玲央はそれでも動きを止めず、未だ硬い怒張の先端で飛び散った精液を塗り広げた。
「んっあ、れお……っ」
それだけでも足りないのか、顎から離れた手がさらに精液を広げ、濡れていなかった肩の方にまで執拗に塗り込まれる。首の根元から腰まで滑らせた指がそのまま精液をすくい上げ、震える俺の口元へと運ばれた。
「んむっ、あっん、んぅっ」
「……あー……、」
されるがまま、玲央の欲望を舐めしゃぶる俺を見下ろす獣がはしたなく笑う。
「たまんねぇ……っ」
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