高校2年生 4月


2年生 4月


「苗字」
「どうしたの影山くん」
「あの、国語の課題、教えてください」
「あぁ、この間公欠してたもんねぇ」

ユースどうだった?と聞くと「勉強になった」と真面目腐った顔で答える。
影山くんってバレーには真摯だ。授業で爆睡してるの嘘みたい。赤点とったら部活できなくなるからぎりぎり寝ないようには頑張っているらしいけど、睡魔との戦いの勝率は負け越している気がする。

高校2年生。クラスメイトも2年目になればだいぶ板についてくるもので、影山くんに勉強を教えたり課題のサポートをすることも慣れた。
影山くんも私になにかしらの恩義を感じているようで、ごみ捨てとか高い所のものを取る時だとかなにかと手を貸してくれるようになった。人と積極的に交流するタイプには見えなかったから意外だったけど助かっているので親切はありがたく受け取っている。

「影山くんってサインとか考えてるの?」
「スガワラさんが考えてくれたのがある」
「えっ!?あるの?」

思わぬ返答にテンションが上がる。なんでも卒業したばかりの先輩が「これを書きなさい」とサインを考えてくれたらしい。

「どんなの?」

書いて書いてとルーズリーフを差し出すと「まだ書き慣れてねぇけど」とマジックで書いてくれた。

「うわー!ありがとう。大事にするね」
「おう」

ハートマークが入っているあたり茶目っ気のある先輩なんだろうなと思う。ルーズリーフを曲がらないように慎重にクリアファイルに挟んだ。
影山くんが将来有名になったら「サインもらったことあるんだよ」って周りに見せてあげるのだ。


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