全校集会
「あちぃ…」
そのきれいな男の子は意外にも荒っぽい口調でぼやきながらシャツの襟もとをパタパタと動かした。そんな姿ですら絵になるなぁとついボケっと眺めてしまう。
全校集会はまだまだ終わりそうにない。ただでさえ空調の効きづらいだだっ広い体育館に全校生徒を集めてしまえば、余計に冷えるのが遅い。
普段なら気にも留めないのに、なんとなく横で体育座りをしてイライラした様子の国見くんにコソッと声をかけた。
「国見くん」
「…なに」
あまり話すことの無い私に話しかけられたせいか、愛想の無い返事が返ってきた。いや、国見くんは割と誰にでもこんな感じかも。
「これ使う?」
涼しくなるかも、とポケットに忍ばせていたボディシートを差し出す。強めにスース―するタイプだ。国見くんは少し驚いた様子を見せた後「ありがと」とシートを受け取った。軽く腕を拭いた後、首の後ろにシートを当てて目を細めている。わかるわかる。首の後ろに当てると涼しいよね。どうやら少しは役に立てたみたい。
よかった、と思っていると急に国見くんの視線がこちらに動いた。バチッと視線が合う。見てたのバレちゃった、と少し気まずい気持ちになったけど、国見くんは何も気にしていない様子でまた前を向いたのだった。
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