星に願いかけた、けど
いつからなの?
この私の一方通行
「星見に行こう」
サトシはピカチュウを肩に乗せ、私の腕を強引に掴み、家の屋根へ。
「ちょ、サトシっ」
「ほら!カスミ、見ろよ綺麗だぜ!」
「…うわあ………綺麗…!」
私が見たのは、満天の星空。
キラキラと一つ一つが光っていて、とても幻想的だ。
「なっ?綺麗だろ!」
ニコッと無邪気に笑う彼はなんとなく懐かしいような、新鮮な感じもした。
それはきっと、声も、背も、顔立ちも男の人、になっていっているからなの?
なぜか私は置いていかれるようで虚しい気持ちになった。
この気持ちを星に託して。
願いをかけるの。
「カスミ」
「なっ何よ急にびっくりするじゃない」
「今度一緒にまた旅をして欲しい」
真剣な眼差し。
その姿に私は不覚にもドキッとしてしまった。
「…嬉しい……」
何故だか、涙が出て。
ピカチュウが心配そうに私の顔を覗きこんだ。
「ピカー?」
「うっ、ううん、なんでもないわよ!心配しないで」
星に願いかけた、けど
その願いはすぐ叶えられたみたい。
end.