気づいたところでもう遅い
あなたの隣にいたい、なんて我儘、いってみたいわ。
「ねえグリーン、あのね」
「…」
グリーンは書類とにらめっこ。
少しはアタシの話を聞いてくれたっていいじゃない。
「〜っグリーン!」
好き。だいすきなの。話を聞いて?
「ブルー、」
グリーンはアタシを見ていないが、確かにアタシの名前を呼んだ。
「なっ何?」
アタシはびっくりした。
仕事中に話し掛けると大概はうるさい、外行け、等なのに。
「コーヒー淹れてくれないか」
ああ、これがささやかな幸せっていうのね。
「うんっ!」
やっぱり、彼の隣にいたい、というのはまだあるけど、こんなささやかな幸せでも良いと思うの。
end.
Aコースさま