素直になれる一言「xx...」






シンヒカ








素直になれない私なんか嫌い。

素直な可愛い女の子になりたいの。


「無理だな」

「何よ!?私だってやるときはやるのよ!?この間のコンテストのDVD見る?」


はあ、とシンジは溜息をつき、
「それは見た」
と一言。

きゅん。


ああ、こういう所がずるい。


いつも私なんか興味ない、とか言っといて、裏ではちゃんと見てくれていること。
これがツンデレっていうのかな?



「シンジ、もうすぐ誕生日だよね?」



ソファーで分厚い難しそうな本を読んでいるシンジに話し掛ける。


「そう言えば誕生日か」



「自分の誕生日忘れてたわけ?ありえない!!」


「五月蝿い、来月はお前の…」



「え?」



「なんでもない」

珍しくシンジは頬を赤く染め、私から目線を外した。

「なによ、もう」


ん?来月?私のなんかあったっけ。誕生日はまだだし、



「あっ!グランドフェスティバル!!」


「だから五月蝿い」


軽くおでこを叩かれた。
地味に痛い。


「よく覚えてたね、けっこう前に話したのに」



「一応録画するからな、覚えてたほうがいいと思っただけだ」

シンジはパタン、としおりを本に挟み本を閉じ、ヒカリを抱き寄せた。


「ちょ、今日のシンジ素直!!」


顔を赤らめて少し混乱しているようだ。





「お前が素直にならないなら俺が素直になってみるのも悪くはないだろう?」





「…………っばかあああ」



「馬鹿はお前だ」






「…………………好き」



「ああ」

素直になる事って難しいけど、少しずつ、少しずつ、なっていきたい




end.


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